キャリアアップ助成金における計画書の記入例|必要書類もあわせて解説

キャリアアップ助成金の支給を受ける上で、まず取り組むべきなのがキャリアアップ計画書の記入と提出です。

キャリアアップ計画書を記入する際は、キャリアアップ助成金の7つのコースから任意のものを選択し、具体的にどのような方法でキャリアアップを目指すのかを記入します。

この記事では、キャリアアップ計画書に記入するべき内容と記入例についてご説明します。

 

キャリアアップ計画書のフォーマットと記入例

では、早速記入例を見ていきましょう。

キャリアアップ計画書のフォーマット

キャリアアップ計画書のフォーマットは、決められたものを使用する必要があります。『キャリアアップ助成金|厚生労働省』からキャリアアップ計画書の部分を印刷してお使いください。

引用元:キャリアアップ助成金|厚生労働省

キャリアアップ計画書に記入する内容とその記入例

上記のフォーマットについて、記入するべき内容と具体的な記入例をご説明します。

1.キャリアアップ管理者情報

キャリアアップ管理者を選任し、氏名を記入します。キャリアアップ管理者として選任する人は、キャリアアップ計画に取り組むために必要な知識や経験を持っている人、もしくは事業主や役員などの方です。

1つの事業所に対して、1人のキャリアアップ管理者を設置する必要があります。事業所が複数ある場合は、それぞれの事業所に対して別のキャリアアップ管理者を選任しなければなりません。

2.キャリアアップ管理者の業務内容

キャリアアップ管理者として、どのような業務を行うのか記入します。

【記入例】
  • 従業員への周知と管理
  • 事業所統括(従業員育成・管理業務) など

3.キャリアアップ計画期間

キャリアアップ計画を実行する期間を記入します。3年から5年の間で任意の期間を選択してください。

4.キャリアアップ計画期間中に講じる措置の項目

キャリアアップ助成金の各種コースの中から、取り組む予定のコースを選択し、○で囲みましょう。正社員化コースの場合は、『正規雇用等』『勤務地限定正社員』『職務限定正社員』『短時間正社員』から該当するものを選択してください。

コースを選択したら、実施予定日を記入します。例えば、正社員化コースの場合であれば正規雇用に転換する予定日を記入します。

なお、同時に複数のコースを選択することも可能です。途中から別のコースに変更したい場合などは、変更届を提出することで変更が可能となります。

5.対象者

キャリアアップ計画の対象者が誰なのかを記入します。個人名を記入する必要はなく、入社時期や所属する部署、雇用形態などを記入すれば十分です。

対象者について具体的に書きすぎると後々融通が効きにくくなる恐れがあるので、ある程度汎用性を持たせて記入するのがおすすめです。

【記入例】(正社員化コース・人材育成コース)
  • マーケティング部に派遣されている派遣労働者
  • 営業部に所属する有期契約労働者
  • 雇用後○年が経過したパートタイム労働者

6.目標

キャリアアップ計画の目標を記入します。人材育成をする場合は、訓練後に取得する予定の能力やスキルと、達成後の処遇などについて記入します。

【記入例】(正社員化コース・人材育成コース)

対象労働者に対して職業訓練を行い、〇〇の知識・スキルを習得させる。当該訓練の達成状況に応じて、正規雇用への転換を行う。

7.目標を達成するために講じる措置

目標を達成するための措置について記入します。正規雇用への転換をする際に、試験や面談など、どのような方法で転換を図るのかを明示しましょう。

こちらもご自身の事業所の状況に応じて調整をし、ある程度汎用性の高い内容を記入するのが無難です。

【記入例】(正社員化コース・人材育成コース)
  • 職業訓練等を実施し、〇〇の知識・スキルの習得を図る
  • 職業訓練後、正規雇用労働者としての適格を図るための試験や面談等を行う

8.キャリアアップ計画全体の流れ

キャリアアップ計画を進める手順を記入します。記入するべきポイントは例えば次のとおりです。

  • 正規雇用転換のルールを定めること
  • 上記ルールを労働者に対して周知をすること
  • 正規雇用転換をするための方法や基準

各自の現状に応じて、必要な内容を大まかに記入してください。なお、正規雇用転換のルールが就業規則に明示されていない場合は、就業規則の修正も必要になってきます。

【記入例】(正社員化コース・人材育成コース)

有期契約労働者・派遣労働者等を正規雇用転換するための環境を整備し、対象者の範囲や正規雇用転換のルールを周知し、希望者を募る。希望者に対して職業訓練を行ったのち、試験や面談を行い、基準を満たした場合は正規雇用への転換を行う。

 

キャリアアップ計画書の提出について

最後に、キャリアアップ計画書を提出する際に必要な書類と、提出期限についてご説明します。

キャリアアップ計画書を提出する際の必要書類

キャリアアップ計画書を提出する際は、就業規則の写し、対象労働者の賃金台帳、タイムカードの写しなどの書類の提出が求められます。

申請するコースによって必要な書類は異なるので、提出前に必ず厚生労働省のページで確認をしましょう。コース別の必要書類については、『キャリアアップ助成金 必要書類チェックリスト|厚生労働省』をご確認ください。

キャリアアップ計画書の提出期限

キャリアアップ計画書を作成し、必要書類を揃えたら、事業所を管轄するハローワーク、もしくは労働局に提出をします。

キャリアアップ計画書は、キャリアアップ計画が開始される1ヶ月前までに提出するのが望ましいでしょう。

万が一提出が遅れてしまうと、正規雇用への転換がキャリアアップ計画に基づいていないことになり、助成金を受け取れない恐れがあります。

また、キャリアアップ計画書を提出する際は就業規則の写しを提出する必要がありますが、

就業規則に正規雇用転換のルールが明示されていない場合は就業規則の変更が必要になります。このことが原因でキャリアアップ計画書の提出が遅れてしまうことも考えられますので、キャリアアップ計画書以外の書類作成や手続きに要する時間も考慮して、助成金の申請を進めていく必要があります。

まとめ

この記事では、キャリアアップ計画書の記入例をご紹介しました。計画書を記入する際は、申請するコースを選択し、どのような流れで進めていくのか検討した上で、必要な項目を記入していきましょう。

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