助成金について社労士に相談した方がいい理由は…
- 自社が受給できそうな助成金に気づけるから
- 助成金申請手続きを自力でやると手間がかかるから
- 不支給になるリスクを減らすため
助成金を受給できれば、コストを大きく軽減できます。
例えば、賃上げと設備投資に対して助成される業務改善助成金を受給できた場合、最大600万円を受け取れます。
しかし、仮に助成金の支給要件を満たしていたとしても、企業側が自力で気づいて申請をしないと助成金はもらえません。
助成金の財源は経営者や労働者が毎月払っている雇用保険料です。
賃上げのような支給要件を満たしうる取り組みをしているのに申請をしないのはもったいない、と常日頃感じておりこのページを作成しました。
人材の採用・待遇UP・設備投資を検討している方であれば、もらえる助成金があるかもしれません。
以下、助成金を受給できるかもしれない企業の方に向けて、次の3点をご説明します。
- 助成金の相談を社労士にするメリット
- 依頼する場合に落とし穴になり得るポイント
- 無料で利用できる相談窓口
助成金の相談は誰にすればいい?社労士に相談する7つの理由
社労士に相談すると、以下7つのメリットがあります。
- 前提:助成金の相談や申請代理ができるのは社労士だけ
- 自社が受給できそうな助成金がないか相談できる
- 狙っている助成金を受給できる見込みがあるか、申請する前にある程度判断できる
- 手続きの仕方がわからない時だけ聞くこともできる(社内で対応したい方向け)
- 助成金を得られた場合の費用対効果についても相談できる
- すべて自力で申請するのは大変(助成金申請作業には専門知識が必要)
- 労働環境がよくなるきっかけになる。採用や離職率低下に恩恵
それぞれ見ていきましょう。
前提:助成金の相談や申請代理ができるのは社労士だけ
助成金に関する相談がしたい場合は、社労士か助成金の申請先の機関(労働局など)に相談しましょう。
それぞれ次のような相談ができます。
- 社労士:自社にぴったりな助成金はどれか?助成金を受給できそうか?申請を代理したい、など
- 労働局など:支給要領の細かな解釈など、制度の不明点に関する質問
助成金の申請代理は社労士しかできません(社労士法第27条)。助成金申請先の機関以外にするのであれば、基本的に社労士の中から良さそうな人を選んでいくことになります。
自社が受給できそうな助成金がないか相談できる
人を雇用したり、既に雇用している人の待遇改善や教育をしたりするときは特に助成金を得られる可能性があります。
採用拡大や待遇改善をしようと思っているタイミングで社労士に相談をすると、自社の状況にぴったりな助成金が見つかり、コストを軽減できるかもしれません。
狙っている助成金を受給できる見込みがあるか、申請する前にある程度判断できる
社労士は助成金を扱った経験が豊富なので、助成金申請をはじめる前の段階で以下のような点を判断できます。
- 助成金を受給できる見込みがあるか
- もっと向いている助成金があるのではないか
- 支給要件を満たすために具体的にどのような準備が必要か
本業に使うはずだった時間をさいて支給要件を満たす取り組みをしたり、賃上げのようなコストが高くなる取り組みをしても、必ず助成金を受給できるわけではありません。
申請をするからには少しでも助成金を受給できる確率を高くしたいはずなので、社労士に相談をしておいた方が安心して取り組みを進められます。
手続きの仕方がわからない時だけ聞くこともできる(社内で対応したい方向け)
社内にある程度対応できる人がいて、申請代理まではお願いする予定がないような場合は、手続きの不明点があるときだけ相談や質問ができるような契約をすることもできます。この場合は助成金を受給できた場合の成功報酬がかからないメリットがあります。
助成金を得られた場合の費用対効果についても相談できる
助成金は儲けるためのものではなく、人の雇用を安定させるために使った費用の一部を国が負担してくれるようなイメージのお金です。
一時は助成金をもらえてお得な気がするかもしれませんが、人や設備にお金を使った結果生産性が高くならなければ、ただ人件費が上がっただけで最終的に利益率が下がる可能性も考えられます。
頑張ってくれた社員への賃上げと、人件費負担増のバランスをどうするか、助成金受給の結果長期的に企業に恩恵があるのか、といったことも事前に相談できます。
すべて自力で申請するのは大変(助成金申請作業には専門知識が必要)
以下の記事に軽く書いてありますが、実は編集部の1人が助成金申請を自力でしたことがあります。
詳細は上の記事でご説明しますが、支給要件を満たすための社内環境の整備と必要書類の用意で、職場と役所を往復する日々を過ごしました。
助成金申請をしている間は通常業務にさける時間がかなり圧迫されたので、忙しい方ほど社労士のサポートがあった方がいいだろうと考えています。
労働環境がよくなるきっかけになる。採用や離職率低下に恩恵
助成金を申請して受給するまでの過程で、労働環境が今よりも法令に則ったクリーンなものになります。
助成金を受給するためには、就業規則を適切な内容にしたり、賃金台帳や出勤簿など、法律上用意しなければいけないルールや書類を用意しなければなりません。
助成金の支給要件を満たす取り組みをしたことをきっかけに、法律上最低限やらなければいけない労務管理ができるようになります。今後採用を拡大したり、人材を定着させたりするうえでも今回の取り組みがプラスに働くはずです。
社労士に助成金の相談・手続き代行を依頼する際にあり得る4つのリスク
相談・契約前に知っておかないとギャップを感じるかもしれないポイントを4つお伝えします。
- 助成金に詳しくない社労士もいるので、断られることもある
- 成功報酬以外の費用がかかることもあり得る
- 手続きを完全に丸投げするのは難しい
- 補助金の申請代理はやっていないことも多い
助成金に詳しくない社労士もいるので、断られることもある
助成金申請代理はニーズがあるものの、積極的に取り扱っていない社労士もいます。
理由は次の3点です。
- 社労士といえども助成金申請の手続きは大変(助成金によって難易度が異なる)
- 不支給になった場合、成功報酬にしていた場合はタダ働きになる
- 企業が不正受給をした場合、社労士も連帯責任を負うことがある
上記のようなリスクがあるので、助成金申請代理を扱う社労士は、ある程度本腰を入れて経験を積んだり、リスクに備えたりする必要があります。
このような事情があるので、助成金受給を目指す場合は、社労士によってやっていたりやっていなかったりすることを念頭に置いておいてください。
既に契約している社労士が助成金申請に消極的な場合、助成金申請代理だけを別の社労士に依頼する選択肢もあり得ます。
成功報酬以外の費用がかかることもあり得る
以下の2点に該当する場合に、助成金申請以外の費用が発生することがあります。
- 法律上必要な書類を用意していなかった
- 上記を社労士に依頼する場合
法律上必要な書類とは、例えば賃金台帳、出勤簿、雇用契約書、就業規則などです。助成金を申請するしないにかかわらず、遅かれ早かれ用意しなければならない書類です。
これらの書類がなくてもただちに問題になるわけではありませんが、従業員と賃金をめぐるトラブルになったときに会社側が不利になったり、労基署の調査が入った際に是正勧告をされたりするリスクがあります。
もっとも、これらの書類作成を必ず社労士に依頼しなければいけないわけではありません。少しでも費用を節約したい場合は、基本的には自力で作成をして、最終確認や加筆修正だけを社労士に依頼するようなやり方もあり得ます。
以下の記事では助成金申請の費用だけではなく、付随する手続きを依頼した場合の費用相場についてもご案内しています。併せてご参考ください。
手続きを完全に丸投げするのは難しい
申請代行という言葉のイメージから、全て丸投げできそうな印象を受けるかもしれません。
実際は、社内でも以下のような対応をしなければなりません。
- 書類の一部を用意・記入
- 支給要件を満たすための取り組み(キャリアアップ計画や賃上げの実施など)
- 適切な労務管理
上記のように社内で積極的に対応しなければいけない業務もあるので、完全な丸投げではなく、社労士と協力して助成金受給を目指すようなイメージで取り組むといいかもしれません。
補助金の申請代理はやっていないことも多い
補助金は社労士の独占業務というわけではないので、やっていないことが多いです。
補助金の申請をする際は、事業計画を立てる必要があります。
補助金の書類作成代理は行政書士に依頼する必要がありますが、申請代理は資格がなくても可能です。
相談先としては、中小企業診断士、行政書士、民間企業、税理士などがあり得ます。
助成金の無料相談窓口5つ|社労士・行政窓口のみ
助成金について相談できる先を5つご紹介します。社労士や助成金支給元の行政の窓口のみをご紹介します。
- 社労士相談ドットコム|助成金に詳しい社労士に一括見積もり
- 各都道府県の社労士会|経営者だけでなく労働者でも社労士に相談可能
- 各都道府県の労働局|労働局が支給元の助成金について問い合わせできる
- 各都道府県のハローワーク|ハローワークが支給元の助成金について問い合わせできる
- 社会保険労務士法人TSC|助成金の相談・申請サポート1年無料。着手金も成功報酬も0円
社労士相談ドットコム|助成金に詳しい社労士に一括見積もり
当サイトをご利用いただくと、複数の社労士に一括見積もりができます。
一括見積もりをするメリットは例えば…
- 料金体系とサポートの範囲が社労士によって異なる
- 助成金の種類や対象従業員の人数などによって費用が変動するので、一括見積もりをしないと自社だけの社労士費用相場を把握しにくい
- 助成金獲得までは一定の期間があるので、説明がわかりやすかったり、馬が合うような社労士を選んだ方が安心感がある
- 狙っている助成金を取り扱った経験がある社労士に相談をした方が無難
以下のフォームより必要事項やご希望を入力して送信することで、複数の社労士から直接提案を受け取れます。
各都道府県の社労士会|経営者だけでなく労働者でも社労士に相談可能
各都道府県の社労士会に、社労士が扱う業務について相談したり、社労士の紹介を受けたりできます。
社労士の業務は給与計算や社会保険手続きのような、経営者の手続きを代理する業務です。経営者サイドの仕事がメインなので、労働者として社労士事務所に相談をしても対応が難しいことがあります。
社労士会の場合は、経営者向けの相談はもちろんのこと、労働者向けの相談窓口も設置しています。労働者として社労士に無料相談をしたい場合は、まず社労士会に相談するといいでしょう。
相談できる内容やサポートの内容は各都道府県の社労士会によって異なりますが、大きな違いはありません。
例えば、東京都の社労士会は次のような相談窓口を用意しています。
- 社労士110番:社労士に30分程度電話相談できる
- 総合労働相談所:労働にまつわるトラブルに関する相談ができる
- 年金相談センター:各種年金について50分間質問ができる
各都道府県の労働局|労働局が支給元の助成金について問い合わせできる
既に受給を目指している助成金がある場合や、申請手続きをしている最中の助成金がある場合、手続きの細かな不明点については、支給元の機関に相談することもできます。
労働局やハローワークが助成金の支給元になっていることが多いです。
以下より全国の相談窓口を探せます。
各都道府県のハローワーク|ハローワークが支給元の助成金について問い合わせできる
申請しようと思っている助成金の申請先がハローワークの場合は、ハローワークに不明点を質問できます。以下よりお住まいの地域のハローワークを探せます。
ハローワーク(公共職業安定所)は、仕事をお探しの方や求人事業主の方に対して、さまざまなサービスを無償で提供する、国(厚生…
社会保険労務士法人TSC|助成金の相談・申請サポート1年無料。着手金も成功報酬も0円
助成金相談と申請のサポート(必要書類の用意や必要事項の記入など)を1年無料でしている社労士法人です。
申請代理はしていませんが、その代わり着手金も成功報酬もかかりません。
助成金について、自社の状況を把握している社労士に、いつでも次のような相談ができます。
- 自社がもらえそうな助成金はあるか?
- 狙っている助成金の受給要件を満たせそうかどうか?
- そもそも狙っている助成金を獲得した上で、長期的な生産性を上げるにはどうすればいいか?
- 手続きや書類記入でわからないことがあり、どうすればいいか?
完全に丸投げをするのではなく、ある程度主体的に助成金獲得を目指したい方に向いたサポート内容になっています。
助成金を受給するためには、最低限の労務管理ができていなければなりません。1年無料サポートを利用すると、給与計算や社会保険手続き、就業規則のチェックなど、最低限の労務管理に必要な業務代理も無料で利用できます。
助成金を獲得するために必要な管理体制を、低予算で構築できます。詳細が気になった方は以下のページをご確認ください。
まとめ
- 助成金の財源は雇用保険料。しかし、支給要件を満たしていても、企業が申請しないと受給できない。
- 社労士に相談すると、助成金の受給可能性を高め、手間を減らせる。
- 助成金の相談や申請代理ができるのは社労士のみ。
- 社労士に相談することで、自社が受給できそうな助成金がわかる。
- 申請前に助成金を受給できる見込みをある程度判断してもらえる。
- 手続きの不明点だけを聞くこともでき、社内で対応することも可能。
- 助成金を得られた場合の費用対効果についても相談できる。
- 助成金申請作業には専門知識が必要で、すべて自力で行うのは大変。
- 労働環境の改善につながり、採用や離職率低下に恩恵がある。
- 助成金に詳しくない社労士もいるため、断られることもある。
- 助成金の申請代行は全て丸投げすることは難しい。
- 補助金の申請代理は社労士が扱わないことが多い。