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雇用関係助成金7種を詳しく紹介!種類ごとに金額や支給要件をわかりやすく解説

従業員を雇用するにあたって、採用、賃金、教育、設備などの様々なコストがかかってきますね。しかし、事業の発展には従業員の存在が非常に重要です。

そんな事業主の雇用のリスクを少しでも軽減するために、厚生労働省をはじめとした公的機関では、様々な助成金を用意しています。

助成金が受給できることは、事業主にとっても大きなメリットですが、労働者からしても働き口の選択肢が広がるメリットがあります。

ぜひ雇用関係の助成金を有効活用して、事業を成長させていってください。

ちなにに、今回ご紹介する助成金は厚生労働省管轄のものだけに絞りますが、それだけでも以下のように様々あります。ある程度の種類で分類しましたので、今の会社が置かれている状況に合わせて申請を検討してみてください。

助成金の趣旨助成金の名前
雇用維持のための助成金雇用調整助成金
円滑に再就職できるための助成金労働移動支援助成金
新たに雇用する場合の助成金特定求職者雇用開発助成金

トライアル雇用助成金

地域雇用開発助成金

障害者を雇用する場合の助成金中小企業障害者多数雇用施設設置等助成金

障害者雇用安定助成金

雇用環境を整えるための助成金人材確保等支援助成金
両立に取り組む場合の助成金両立支援等助成金
人材育成に関する助成金キャリアアップ助成金

人材開発支援助成金

参考:「事業主の方のための雇用関係助成金|厚生労働省

雇用維持のための助成金|雇用調整助成金

対象休業、教育訓練や出向を通じて従業員の雇用を維持する
受給額
  1. 休業手当や教育訓練などでの賃金相当の2/3(大企業1/2)
    (1人1日8,330円が上限)
  2. 教育訓練実施時の加算:1人1日1,200円
主な要件
  • 売上や生産量などの指標の月平均(最近3ヶ月間)が前年比-10%以上
  • 従業員の雇用量の月平均(最近3か月)が一定数増加していない
詳細雇用調整助成金

雇用調整助成金は、主に休業によって事業活動行えなくなった時に従業員への休業手当などとして実際にかかる賃金分を負担してくれる助成金制度です。受給できれば、従業員の休業手当2/3相当を受け取ることができ(中小企業の場合、1日1人8,330円上限)、従業員を解雇することなく一時的な対象が取れます。

新型コロナウイルスによる影響を受けた企業は雇用調整助成金が利用できる

特に現在では、新型コロナウイルスの影響で休業をせざるを得ない企業も多いと思います。雇用調整助成金では、『新型コロナウイルス感染症特例措置』として、2020年6月30日まで、条件を緩和した上でより助成率の高い助成金を受け取れるようになっています。

雇用調整助成金の新型コロナウイルスでの特例

引用:「雇用調整助成金|厚生労働省

今現在休業に至っている企業の方は、雇用調整助成金を検討してみてください。

円滑に再就職できるための助成金|労働移動支援助成金

離職者が円滑に労働移動できるような機会を与える会社は、『労働移動支援助成金』が受給できる可能性があります。状況に応じていくつかのコースに分かれますので、コースごとにご紹介します。

再就職支援コース

対象離職を余儀なくされる労働者の再就職を、職業紹介事業者に委託して実現させた場合
受給額業者委託でかかった費用の1/2
(その他、職業訓練・グループワーク加算があります)
主な要件
  • 対象の労働者が要件を満たしている(詳細をご覧ください)
  • 職業紹介業者に委託している
  • 計画書を提出している
詳細労働移動支援助成金(再就職支援コース)

離職を余儀なくされた労働者の雇用を、職業紹介事業者に委託して実現させた場合に利用できる助成金です。主に業者委託でかかった費用の1/2を助成してもらえます。

計画書の提出や対象となる労働者の条件もありますので、詳しくは上記のリンク先を参考にしてみてください。

早期雇入れ支援コース

対象離職を余儀なくされる労働者を早期に雇い入れた
受給額労働者1人につき30万円
主な要件離職から3ヵ月以内に期間の定めがない労働者として雇用する

一般被保険者または高年齢被保険者として雇用する

詳細労働移動支援助成金(早期雇入れ支援コース)

離職を余儀なくされた労働者を3ヵ月以内の早期に雇い入れた場合に受けられる助成金です。助成額は対象の労働者1人に対して30万円です。労働者が雇用後すぐに退職させられないためにも、期間の定めなしで採用する必要があります。

新たに雇用する場合の助成金

新たに労働者を雇用する場合、一定の条件を満たしていると受けられる助成金があります。

特定求職者雇用開発助成金

特定の条件に該当する求職者を雇用した場合、『特定求職者雇用開発助成金』が受けられる可能性があります。特定求職者雇用開発助成金は、対象となる労働者によってコースや受給額が変わります。

特定就職困難者コース

対象高齢者や障害者などの就職困難者の雇用
受給額
  • 中小企業:40~240万円
  • 大企業 :30~100万円
主な要件
  • ハローワークや職業紹介事業者の紹介がある
  • 雇用保険の一般被保険者として継続的に雇用する見込みがある
詳細特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)

生涯現役コース

対象65歳以上の離職者の雇用
受給額
  • 中小企業:50~70万円
  • 大企業 :40~60万円
主な要件
  • ハローワークや職業紹介事業者の紹介がある
  • 雇用保険の一般被保険者として1年以上雇用する見込みがある
詳細特定求職者雇用開発助成金(生涯現役コース)

発達障害者・難治性疾患患者開発コース

対象発達障害者や難治性疾患患者の雇用
受給額
  • 中小企業:80~120万円
  • 大企業 :30~50万円
主な要件
  • ハローワークや職業紹介事業者の紹介がある
  • 雇用保険の一般被保険者として継続的に雇用する見込みがある
詳細特定求職者雇用開発助成金(発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース)

3年以内既卒者等採用定着コース

対象3年以内の既卒者・中退者の雇用
受給額
  • 中小企業:50~80万円
  • 大企業 :35~40万円
主な要件
  • これまで既卒者・中退者を新卒・高卒枠で雇い入れたことがない
  • 雇用後1年以上の定着
詳細特定求職者雇用開発助成金(三年以内既卒者等採用定着コース)

障害者初回雇用コース(障害者初回雇用奨励金)

対象初めて障害者を雇用する
受給額
  • 120万円
主な要件
  • 50~300名の企業
  • 3ヵ月以上の雇用
  • 対象者を過去3年間雇用していない
詳細障害者初回雇用奨励金(ファースト・ステップ奨励金)

生活保護受給者等雇用開発コース

対象3ヵ月を超の生活保護受給者の雇用
受給額
  • 中小企業:40~60万円
  • 大企業 :30~50万円
主な要件
  • ハローワークや職業紹介事業者の紹介がある
  • 雇用保険の一般被保険者として継続的に雇用する見込みがある
詳細特定求職者雇用開発助成金(生活保護受給者等雇用開発コース)

トライアル雇用助成金

対象トライアル期間を設けて雇用機会の創出をした場合
受給額
  • 最大月額5万円×3ヶ月分
主な要件
  • ハローワークや職業紹介事業者の紹介がある
  • 3ヶ月のトライアル雇用をする
  • 1週間の所定労働時間が通常の労働者と同程度
詳細トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)

トライアル雇用助成金は、原則的にトライアル期間を設けて雇用機会を広げて採用活動を行った企業が受けられる助成金です。

詳しい内容はリンク先もご覧いただきたいのですが、基本的にはトライアル期間を設けることで受給できる可能性がでてきますので、上記の特定求職者雇用開発助成金よりも幅広い企業が挑戦しやすい助成金と言えます。

地域雇用開発助成金

対象雇用機会が不足している地域の事業主が事業所の設置・整備と雇入れをする場合
受給額
  • 48~960万円
主な要件
  • 対象地域である(詳しくはリンク先をご覧ください)
  • 計画書の提出
  • 事業用施設の設置・設備
  • 3人以上の雇入れ(創業時は2人)
詳細地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)

地域雇用開発助成金は、雇用機会が不足している対象地域で事業所の設置・整理を行い、労働者を雇用した場合に受けられる助成金です。1度だけではなく、2回、3回と受給できますので、対象地域で事業をされている場合は検討しましょう。

地域雇用開発助成金の対象地域

障害者を雇用する場合の助成金

対象助成金の名前
施設整備をして10人以上の障害者を雇い入れる中小企業障害者多数雇用施設設置等助成金
障害特性に応じた雇用管理・雇用形態の見直しや柔軟な働き方の工夫等の措置を講じる障害者雇用安定助成金(障害者職場定着支援コース)
職場適応援助者(ジョブコーチ)による支援を実施する障害者雇用安定助成金(障害者職場適応援助コース)

上記でも障害者を雇用する際の助成金はいくつかありましたが、他にも多くの助成金があります。もし、障害者の雇用を検討されているのであれば、特に助成金の活用は積極的にお考え下さい。

雇用環境を整えるための助成金|人材確保等支援助成金

雇用後も有意義に働いてもらうには設備や管理体制を整えることが有効ですが、雇用環境改善に伴い受給できる可能性がある助成金が『人材確保等支援助成金』です。

人材確保等支援助成金もいくつかのコースに分かれますので、本記事では『雇用管理制度助成コース』を例に出したいと思います。他のコースに関しては、以下のリンク先をご覧ください。

対象コース名
雇用管理制度の導入・実施に伴い離職率低下を実現できた場合雇用管理制度助成コース
介護事業主が介護福祉機器を導入し、労働者の負担軽減をした場合介護福祉機器助成コース
介護・保育事業主が、賃金制度の整備を行った場合介護・保育労働者雇用管理制度助成コース
事業協同組合等が中小企業労働環境向上事業を行った場合中小企業団体助成コース
人事評価制度と2%以上の賃金アップの改善行った場合人事評価改善等助成コース
生産性向上のための設備投資を行った場合設備改善等助成コース

参考:「人材確保等支援助成金のご案内|厚生労働省

雇用管理制度助成コースの例

対象雇用管理制度の導入・実施に伴い離職率低下を実現できた場合
受給額
  • 57~72万円
主な要件
  • 計画書の提出
  • 計画書に基づいた制度の導入と実施
  • 離職率の低下
詳細人材確保等支援助成金(雇用管理制度助成コース)

雇用管理制度助成コースでは、評価・研修・健康づくりなどの制度を導入し、離職率を下げることができた場合に受けられる助成コースです。

文字で説明しただけだと簡単に感じられる方もいるかもしれませんが、実際には計画書を提出し労働局から許可を得て、実施して結果を出す必要がありますので、手続きを含めてかなり大変になります。社労士のアドバイスを受けながら実施することをおすすめします。

両立に取り組む場合の助成金|両立支援等助成金

介護や育児など、仕事と家庭の両立をしやすい職場環境を整えた場合に受けられる助成金が『両立支援等助成金』です。両立支援等助成金もいくつかのコースに分かれていますので、簡単に概要だけご紹介します。

対象コース名
事業所内保育施設を設置・増設・運営する事業所内保育施設コース
男性労働者に育児休業を取得させる出生時両立支援コース
仕事と介護の両立支援に関する取組を行う介護離職防止支援コース
育児休業代替要員を確保する、「育休復帰支援プラン」を策定・導入し、労働者に育児休業を取得させ、原職等に復帰させる育児休業等支援コース
育児・介護等を理由とした退職者の復職支援の取組を行う再雇用者評価処遇コース
女性が活躍しやすい職場環境を整備し、目標を達成する女性活躍加速化コース

両立支援を行っている企業の方は、以下のリンク先を詳しくご覧ください。

参考:「事業主の方への給付金のご案内|厚生労働省

人材育成に関する助成金

新規雇用ということではありませんが、社内でのキャリアアップや人材開発を行うことで受給できる助成金もあります。

キャリアアップ助成金

キャリアアップ助成金は、有期契約労働者を正社員に転換したり、賃金や手当制度を改善した場合に受けられる助成金です。キャリアアップ助成金も行った内容によってコースが分かれますが、今回は『正社員化コース』を例に挙げてご説明します。

正社員化コース

対象有期雇用労働者等を正社員等へ転換した場合
受給額
  • 中小企業:28万5,000~72万円
  • 大企業 :21万3,750~54万円
主な要件
  • 計画書の提出
詳細キャリアアップ助成金

人材開発支援助成金

雇用する労働者のキャリア形成を効果的に促進するため、職務に関連した専門的な知識及び技能を修得させるための職業訓練等を受講させる事業主等に対して助成する制度です。人材開発支援助成金にも複数のコースがありますので、例として代表的な『特定訓練コース』をご紹介します。

特定訓練コース

対象有期雇用労働者等を正社員等へ転換した場合
受給額
  • 中小企業:15万~50万円
  • 大企業 :10万~30万円
    ※助成の上限額です
主な要件
  • 計画書の提出
  • 特定の職業訓練を実施している
詳細人材開発支援助成金

まとめ|助成金の申請は社労士に相談しよう

今回は、雇用に関する助成金を一気にご紹介しました。

ここでご紹介した助成金だけでもかなりの数の助成金がありますし、各リンク先を見て頂ければわかるように必要書類や要件などかなり複雑な仕組みになっています。助成金を申請する行為だけでも相当な労力を要すると言えるでしょう。

そこで、助成金申請をお考えの場合には、社労士に相談することをおすすめします。利用できそうな助成金のアドバイスや、依頼すれば手続き代行を行ってくれます。

料金は基本的に得られた助成金の10~20%程度ですから、費用倒れになる心配も低いです。まずは気軽に社労士に相談してみましょう。

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