テレワークの課題と7つの問題点|解決方法と今後もテレワークを続けるメリット

新型コロナウイルスの感染防止対策として、テレワークを導入した/しようとしている会社も多いことでしょう。新型コロナウイルスだけではなく、働き方改革や求職者へのアピールポイントとして、テレワークは十分に魅力的な施策の1つです。新型コロナウイルスが終息した後もぜひ続けられる部分は続けていただきたいと思います。

しかし一方で、これまでのは違った働き方をするテレワークでは、課題も多くあることは否めません。すでに実施している会社では、課題についてお悩みでしょうし、これからという会社も課題をクリアにしないとなかなか踏み切れないことでしょう。

今回は、テレワークで考えられる課題と、課題を解決する方法、そもそものテレワークのメリットについてご説明します。

 

「tele=離れた場所」と「work=働く」を合わせた造語で、インターネットなどの情報通信技術を利用して、場所や時間に囚われない働き方です。

テレワークが抱える7つの課題と問題点

テレワーク 課題参考:「地域におけるICT利活用の現状に関する調査研究|株式会社情報通信総合研究所

株式会社情報通信総合研究所が行った調査によると、テレワーク導入に関する課題として多かった回答には上の内容がありました。それら課題を大きく5つに分けてご説明したいと思います。

コミュニケーションが図りにくくなる

インターネットを使えば、実際に直接会って接するようなコミュニケーションが取れますが、やはり直接会うよりもコミュニケーションが希薄になることは課題に挙げられるでしょう。

得に今まで、直接顔を合わせての会議や親睦しかしていなかった会社では、いきなりのテレワーク導入で少し抵抗が出てくることでしょう。

直接会っている時にはちょっとした相談や雑談もしやすいという人は多いのですが、チャットやメールになると必要な連絡しかできずに、最低限のコミュニケーションしか取れないことも多いです。案外、何気ない雑談の中から良いアイデアや親睦が生まれることもあるのですが…。

勤怠管理がしにくくなる

テレワークにしても、仕事の結果である成果物はきちんと目に見えるのですが、実際の仕事をしている行動までを監視することは難しいです。

「業務中はきちんと仕事をしているのか?」「時間内に終わっていないがどこに問題があるのか?」など、詳細まで把握できないことが課題に挙げられます。

併せて評価がしにくくなることもありますので、テレワークによってなかなか評価が得られないことになれば、従業員にとってもデメリットになります。

長時間労働になりやすい

厚生労働省が調査したテレワークによるデメリットとして労働者が感じている問題に、「仕事と仕事以外の切り分けが難しい、長時間労働になりやすい」というものが上げられています。

テレワークの問題や課題

参考:テレワークにおける適切な労務管理のためのガイドライン

仕事をしに会社へ行く、家に帰ったらオフというメリハリがあった環境が、ずっと家にいることで常に仕事をし続けられる環境になってしまった結果、区切りを設けることが難しくなってしまうのも、ひとつ課題として挙げられています。

情報漏えいなどセキュリティのリスク

社内での監視の目が薄れ、仕事をする場所が拡散されることで、社内情報が流出するリスクが高くなることも課題です。テレワークでは、言わば自宅以外の公共の場でも作業ができてしまいますから、不用心にフリーWi-Fiに繋いでしまって情報が流出…なんて可能性も考えられるでしょう。

テレワークを導入するに当たて、セキュリティの管理は大きな課題の1つです。

テレワーク用機器の準備や費用負担の決まり

機器の準備についても大きな課題です。多くのテレワークでは、「パソコン+ネット環境」が必要環境となるでしょうが、自宅にネット環境がない従業員の方も少なくないと思います。

また、テレワークによって発生することになる費用負担も明確にしておく必要があるでしょう。例えば、テレワークによって自宅の電気代が上がった場合の負担はどうするのか?などです。

①情報通信機器の費用
テレワーク導入企業の事例では、パソコン本体や周辺機器、携帯電話、スマートフォンなどについては、会社から貸与しているケースが多く見られます。会社が貸与した場合、基本的には全額会社負担としているところが多いようです。

②通信回線費用
モバイルワークでは携帯電話やノート型パソコンを会社から貸与し、無線LAN等の通信費用も会社負担としているケースが多く見られます。一方、在宅勤務では、自宅内のブロードバンド回線の工事費、基本料金、通信回線使用料等が発生します。工事費については、ブロードバンド回線そのものが自宅内に配線され、テレワーカー自身が個人的にも使用することがあるため、その負担を個人負担としている例も見られますが、会社が負担するケースもあります。

ブロードバンド回線の基本料金や通信回線使用料については、個人の使用と業務使用との切り分けが困難な
ため、一定額を会社負担としている例が多く見られます。

③ 文具、備品、宅配便等の費用
文具消耗品については会社が購入した文具消耗品を使用することが多いでしょう。切手や宅配メール便等は事前に配布できるものはテレワーカーに渡しておき、会社宛の宅配便は着払いにするなどで対応ができます。やむを得ずテレワーカーが文具消耗品の購入や宅配メール便の料金を一時立て替えることも考えられますので、この際の精算方法等もルール化しておくことが必要です。

④水道光熱費
自宅の電気、水道などの光熱費も実際には負担が生じますが、業務使用分との切り分けが困難なため、テレワーク勤務手当に含めて支払っている企業も見受けられます。
引用元:厚生労働省|テレワーク導入ための労務管理等Q&A集

テレワークによって交通費などの会社負担は減ると考えられますが、一方で、このような別のコストがかかってくることも課題ですね。

不公平感が出てくる/オフィス勤務の負担が増える

どうしてもテレワークしやすい業務・しにくい業務に分かれてきます。例えば、営業や接客などの直接人と接することが多い仕事では、なかなかテレワークはできません。

そうなると、テレワークできない人からの不平不満が出てくることも課題として考えられます。労働者からしてみれば、テレワークは自由度も高くて魅力的に映りますからね。

反対に、社内で働く人ばかり評価される形になってしまえば、今度はテレワークしている人からの不平不満も起こり得ます。テレワークの対象になる人の決まりや、評価基準について明確にしておくべきでしょう。

自宅勤務による孤独感

これは意外と無視できない問題で、特にコミュニケーションを図る機会が少ない一人暮らしのテレワーカーは、誰とも離さないので逆にストレスが溜まるという話も聞きます。

IT企業であるBufferは、オフィスを廃止してすべてのスタッフが自由に働き場所を選べるようにしています。そして同じような働き方をしている人達へのアンケートも実施しています。2020年のアンケートでは、3500人以上が調査に協力したそうです。そしてスタッフの98%がこのような働き方を続けたいと望んでいるという結果を発表しました。
引用元:長期間の在宅勤務はメンタルに影響する?

テレワークの課題を解決する方法

このように、テレワークにも課題は多く導入に慎重になっている経営者も多いことでしょう。しかし、新型コロナウイルスが流行している現在では、テレワーク導入を強行せざるを得ない会社も少なくありません。

こちらでは、上記の課題を解決する方法をいくつかご紹介します。しっかり準備していけば、デメリットを減らしたテレワーク導入も可能になりますので、ぜひ状況に合わせて取り入れてみてください。

WEB会議などを活用する

従業員同士のコミュニケーション低下の対策としては、WEB会議ツールなどの活用が挙げられます。特に『Zoom』というWEB会議システムは今回の新型コロナウイルス対策で多くの人に使われるようになりました(ただし、セキュリティでの問題点も懸念されていますが…)。

WEB会議を使えば、顔を見ながら会話をすることもできますし、複数人で会議として接続することも可能です。中には『Zoom飲み』といって、複数人で顔を合わせて自宅で飲食を楽しむ方もいます。

チャットなどのコミュニケーションツールでももちろん必要最低限の連絡を取ることはできるのですが、やはり文字だけではコミュニケーションも希薄になりがちですので、テレワーク導入と共にWEB会議も取り入れてみてください。

テレワーク用の就業規則を作成する

テレワークの課題は数多く色々な種類がありましたが、まずはテレワーク用の就業規則によって決まりをきちんと作っておくことである程度のリスクは軽減できます。

例えば、勤怠管理ならシステムを導入してどのような方法で出退勤を決めるのか?残業を認可するのか?などを明記しておきます。

テレワークの対象者や評価基準についても新しくテレワーク用で作ります。費用負担や機器の貸出についても就業規則で定めることができますね。

テレワークでの働き方は一般的ではなく、予期せぬトラブルも起きやすいと考えられますので、就業規則は必須で作っておきたいところです。

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セキュリティに関するガイドライン作成や研修を行う

特に重要なセキュリティの課題対策は、就業規則でルールを定めるだけではなく、別途ガイドラインの作成や研修を行ってしっかり対象者に周知させるべきでしょう。ルールをより明確にすることである程度の対策は取れます。

また、テレワークといえども会社から持ち出せる情報には制限を持たせたり、ネット環境も会社で整えて、他のネット回線には断じて繋がせないなどの物理的に制限をかけることも対策としてできます。

テレワークを導入するメリット

ここまでテレワークに対する課題やデメリットばかりにフォーカスを当ててきましたが、テレワーク導入はメリットも多くあります。今現在では、新型コロナウイルスの対策として一時的にテレワークを導入される企業が多いでしょうが、実際に導入してみてメリットも多く感じたのであれば、今後も一部の業務はテレワークで行っても良いかもしれませんね。働き方改革のきっかけにもなると思います。

参考:「地域におけるICT利活用の現状に関する調査研究|株式会社情報通信総合研究所

同じく、株式会社情報通信総合研究所の調査によると、テレワークの意義・目的として上のような内容が多くありました。それらを踏まえて、メリットについてまとめてみたいと思います。

求職者へのアピールに繋がる

テレワークを導入することは、求職者にとってもアピールポイントの1つとなります。労働と家庭や自由な時間のバランスが取れ、有意義に働いてもらうことができます。

また、働く上での問題点として多く挙げる内容が『人間関係の悩み』ですが、テレワークによってコミュニケーションが希薄になることで、かえってプラスに働くことも考えられます。パワハラやセクハラなどの従来の働き方では起こっていた問題も、テレワークではあまり起きなくなると考えられます。

離職率を下げることができる

また、すでに働いている従業員の離職率低下にも繋がります。例えば、女性の方であれば結婚や出産、子育てを機に退職することも多いのですが、テレワークがあることで働き続ける選択も取りやすくなりますし、旦那さんがテレワークで自宅にいることで家事分担もしやすくなります。

先ほどの人間関係の悩みやハラスメント問題が減少することで、離職率も低下し、優秀な人材を会社に残しやすくなることが期待できます。

効率よく働いてもらえる

会社で集団行動をしていると、自分にあまり必要のない会議の参加や営業電話、顧客対応などの作業を中断させるような出来事が度々出てきます。

テレワークで集中できる環境を作ることができれば、業務効率も上がり、生産性の向上や労働時間の削減が期待できます(ただし、誘惑の多い自宅作業にいきなり対応できる方も少ないですが…)。

有事の際に臨機応変な対応がしやすくなる

今回の新型コロナウイルスの流行がまさにそうなのですが、パンデミックや震災などの有事の事態でも、会社での業務を完全ストップすることなく対応することができます。

震災やパンデミックはいつ突然起こるか予測ができません。そうなった時に突然慌てて準備するのではなく、日頃からテレワークの下地を作っておくと対応もしやすいでしょう。

交通費などの必要経費が抑えられる

テレワークを導入することで、交通費や会議費、福利厚生費などの経費が下がることがあります。また、テレワークを一般化させることができれば、オフィス縮小によってコストを大幅に削減することも不可能ではありません。

課題の項目でもお伝えした、導入費用や費用負担などと合わせても長い目で見ればコスト削減に繋がることが多いです。一度テレワークを導入できたのであれば、引き続き一部の業務で残しておくこともおすすめですね。

まとめ

今回の新型コロナウイルスの対策として、テレワークを導入し始めた企業も多いことでしょう。しかし、その一方で課題や問題点を感じた部分も多いはずです。今回お伝えした対策を参考にしながら、いち早くテレワークを導入していただければと思います。

また、テレワークにはメリットも多いです。新型コロナウイルスが終息した後も、メリットを生かすために一部で導入を続けてみるのもおすすめです。

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