社労士になるには、まずは社会保険労務士試験に合格する必要があります。試験には受験資格がありますし、日々の勉強も必要です。また、社労士試験合格後も社労士連合会と全社労に登録する必要があるので、実務経験を積むか指定講習を受けます。
社労士は法律系の国家資格ですから当然それ相応の難易度はありますが、社労士として独立開業もできるようになりますし、コンサルタントとしての強力な武器や企業でも価値ある人材として就職の幅が広がります。
今回は、社労士のなり方についての手順や社労士になれる割合、必要な勉強時間の目安などをご紹介します。
社労士になるには?なるまでの全体的な手順と必要資格
早速、社労士になるための手順と必要資格についてご説明します。
社労士になるための手順
社労士になるための手順をまとめると上記の通りとなります。社労士は国家資格であるため、『社会保険労務士試験』を受けて合格する必要があります。
また、試験に受かるだけでなく、その後、全国社会保険労務士連合会(全社労)への登録が必要です。登録は申請だけすれば良いのではなく、2年以上の実務経験か指定講習の修了が求められます。
つまり、社労士になるには『試験合格』と『登録申請』の2段構えがあると認識していただければと思います。以下では、社労士になるまでのそれぞれの段階での要件などを詳しくご説明します。
社労士試験の受験資格
まず、社労士試験を受けるにあたって、受験資格を満たしておく必要があります。社労士試験を受けるにあたって、絶対必要な条件はありませんが、以下の3つの項目のうちいずれかの条件を満たしておく必要があります。
- 学歴
- 実務経験
- 国家試験合格
参考:「社会保険労務士試験の受験資格|社労士試験オフィシャルサイト」
学歴
最終学歴 | 受験資格 |
大卒・短大卒・高専卒 | 〇 |
専門卒 | △※ |
高卒・中卒 | × |
※専門士/高度専門士の称号がある
まず、学歴による受験資格ですが、大卒・短大卒・高専卒の方は、その学歴があるだけで社労士試験への受験資格も得られます。
専門卒の方は、専門士もしくは高度専門士の称号があることで受験資格も得られます。一方、高卒、中卒の方は、学歴での受験資格がありませんので、以下のいずれかの受験資格を満たす必要があります。
実務経験
上記の学歴で受験資格を得られなかった方は、実務経験が受験資格を満たしているかを確認してみてください。社労士試験を受験できる実務経験は以下の通りで、受験資格を得るために必要な年数はどれも3年以上です。
- 労働社会保険諸法令の規定に基づいて設立された法人の役員/従業者として同法令の実施事務に従事
- 国/地方公共団体の公務員として行政事務に従事
- 行政執行法人/特定地方独立行政法人/日本郵政公社の役員/職員として行政事務に相当する事務に従事
- 全国健康保険協会、日本年金機構の役員/従業者として社会保険諸法令の実施事務に従事
- 社労士/社労士法人での業務補助
- 弁護士/弁護士法人での業務補助
- 労働組合の役員として業務を専従
- 法人等として労務を担当
- 労働組合の職員/法人等/個人の従業者として労働社会保険諸法令に関する事務に従事
国家試験合格
上記の学歴・実務経験を満たさない方でも、他の国家試験で合格しているようであれば、社労士試験の受験資格を得られます。厚生労働大臣が認めた国家試験には実に79種類があり、国家資格をお持ちの方は該当する可能性は高いでしょう。
参考:「厚生労働大臣が認めた国家試験|社労士試験オフィシャルサイト」
また、上記の79種類以外にも、司法試験予備試験と行政書士試験に合格した方も社労士試験の受験資格を得られます。
もし、これらの条件すべてを満たさない方がいれば、まずは他の国家試験での合格を目指す方法が良いかと思われます。例えば、行政書士であれば受験資格に学歴もありませんので、比較的に受けやすいでしょう(もちろん勉強は必要になりますが)。
社労士試験に合格する
社労士試験に受験できたからと言って、試験に合格しなければ社労士にはなれませんね…。後述しますが、社労士試験の合格率は10%未満と非常に狭き門で、合格するためには事前に勉強する時間の確保とスケジュール立てを行い、計画的に試験に挑んでいく必要があります。
登録要件を満たす
お伝えの通り、社労士試験に合格した後も全社労に登録しないと社労士にはなれません。全社労への登録はいずれかの要件を満たしておく必要があります。
- 2年以上の労働社会保険諸法令に関する実務経験
- 事務指定講習の修了
実務経験が不足している方は、基本的には事務指定講習を受けることになります。費用が77,000円かかりますが、実質8日間で講習も終わるためその間はご自身で実務経験を積んでおくのも良いですね。
ただし、事務指定講習は年に1回しか開催されておらず、申込みに遅れると1年間待たなくてはなりません。以下のリンクで実施期間を確認していただき、社労士試験合格後はすぐに申込みに移るようにしましょう。
参考:「事務指定講習|全国社会保険労務士会連合会」
社労士会と全社労に登録する
上記の登録要件を満たした方は、各都道府県の社労士会と全社労に登録申請を行っていきます。
引用:「社労士の登録申請について|全国社会保険労務士会連合会」
登録申請の主な流れは上記の通りで、以下の必要書類と費用を準備します。
登録に必要な書類
- 社会保険労務士登録申請書
- 社会保険労務士試験合格証書の写し
- 従事期間証明書または事務指定講習修了証の写し
- 住民票の写し
- 写真票
- 戸籍抄本、個人事項証明書または改製原戸籍
- 通称併記願※通称名を希望する場合
登録・入会に必要な費用
費用の種類 | 金額 |
登録免許税 | 30,000円 |
手数料 | 30,000円 |
入会金 | 50,000円※開業会員・法人社員の場合 |
年会費 | 96,000円※開業会員・法人社員の場合 |
※入会金・年会費は社労士会で変わります。
必要書類を揃えること自体は特に難しくありませんが、費用面では先ほどの事務指定講習の費用まで含めると30万円近くかかります。社労士になるにあたって、一度現在の仕事を辞める方も多いでしょうが、社労士になるための費用もそこそこかかりますので、ある程度の資金的余裕を持たせておきましょう。
社労士試験の合格率と必要な知識・勉強量
社労士になるための全体像はお伝えしましたが、何より大事なポイントが社会保険労務士試験に合格することでしょう。先にお伝えしておくと、社労士試験の合格率は低く、法律の専門家になる試験であるため、労働及び社会保険に関する法律はきちんと勉強しておかなくてはなりません。
社労士試験の合格率はかなり低い
お伝えした通り、社労士試験の合格率は非常に低く、近年では6%代を推移しています(2015年は2.6%を記録)。
ちなみに、試験を受けるまでの経緯が違いますが、司法試験で25%前後、税理士試験で15%前後と国家資格の中でも合格者が低い部類にあると言えます。
決して甘いものではないと、身を引き締めて勉強や準備に励むべきでしょう。
社労士試験の試験科目
- 労働基準法及び労働安全衛生法
- 労働者災害補償保険法(労働保険の保険料の徴収等に関する法律を含む)
- 雇用保険法(労働保険の保険料の徴収等に関する法律を含む)
- 労務管理その他の労働に関する一般常識
- 社会保険に関する一般常識
- 健康保険法
- 厚生年金保険法
- 国民年金法
参考:「社労保険労務士試験の概要|社労士試験オフィシャルサイト」
社労士試験では、上記の8項目の科目に分けられて試験が行われます。大分類すると『労働関係の法律』と『社会保険関係』の法律ですが、どちらの内容も漏れなく修得しておきましょう。
まずは試験科目に関する法律全般を覚え、ある程度の知識が身に付いてきたのであれば過去問を繰り返し取り組む方法が一般的です。
独学での勉強時間の目安は800時間以上
実際に社労士になるためにどれほどの勉強の時間が必要かというと、独学の場合は800~1,000時間程度は必要だと言われています。これは、365日毎日勉強し続けても1日2時間以上の勉強時間となりますので、相当な覚悟が必要になってくるでしょう。
社労士試験の期間と勉強スケジュール
仮に1年の勉強で社労士試験合格を目指すのであれば、社労士試験が終わった直後の9月から基本的な勉強を進めていきます(社労士試験は毎年8月末)。
時期 | 主な学習方法 |
9~12月 | 基礎学習 |
1~4月 | 過去問 |
5~8月 | 試験準備 |
主な勉強のスケジュールは上記の通りで、特に試験直前の5~8月は模擬試験や直前講座を受けてしっかり準備しておく必要があります。
参考書片手に勉強に励む方法はオーソドックスな方ですが、今では動画で講義を聞けたり、気軽に講座を受けることもできますので、ご自身に合った効率の良い勉強方法を見つけてください。
社労士試験の勉強におすすめの勉強法
勉強時間やスケジュールはある程度ご説明しましたが、後はどのように学んでいくかです。こちらでは、社労士試験のためのおすすめ勉強方法をご説明します。ご自身の現在の知識や経験、費用面などを考えながら検討してみてください。
参考書と問題集は基本
社労士試験への準備も基本は参考書と問題集を使っていく勉強方法が基本です。上でもお伝えした、社労士が覚えるべき法律を身に付けるまでの基本学習(約4か月)は参考書を元に学んでいきます。
法律関係の知識が身に付いたのであれば、ひたすら問題集を解いていきます。大きな書店であれば、一通り取り揃えてありますし、ネットでも購入可能です。費用もそこまでかからないので、すぐにでも始められる方法ですね。
メリット | デメリット |
・費用は一番抑えられる ・今すぐ始めやすい | ・独学では何百時間続ける根気が必要 |
必要に応じて講座も受ける|まずは通信講座がおすすめ
ただ、実際には会社員をしながら試験に挑戦される方も多く、そのような方は参考書・問題集だけでは時間的に間に合わない可能性もあります。効率的に勉強を進めるには、通信教育で要点を説明してくれる通信講座などの教材もおすすめします。
費用も参考書等に比べると高くはなりますが、時間短縮と効率化を進めると考えれば、受け入れられる価格帯でしょう。ご自身の勉強の進み具合や試験までの残り期間に応じて講座を選んでいきましょう。
メリット | デメリット |
・効率的で次にやることも分かりやすい ・知識か実務経験がある人は時間短縮できる ・自分のペースで学びやすい | ・5~10万円程度の費用がかかる |
しっかり学ぶなら通学制予備校も1つの選択肢
さらに費用はかかってきますが、学生や無職などで時間を確保することができて本気で合格したい意思が強いのであれば、通学制の予備校も1つの選択肢です。
特に社労士が関連する知識もほとんど見についておらず、実務経験もないという方は、1からしっかり学べるコースもありますので、莫大にかかる勉強時間を少しでも短縮できることが期待できます。
メリット | デメリット |
・初心者でもしっかり学べる ・周りに人が関わってくるので挫折しにくい | ・20万円以上の費用がかかる ・通うことに時間を取られる |
社労士の平均年収とやりがい
社労士試験の難しさや勉強時間の長さに少し戸惑われた方も多いでしょう…。しかし、それでも毎年4~5万人が社労士資格を受ける背景には、年収UPや昇格などのスキル/キャリアアップとやりがいがあるからです。
こちらでは社労士になることのメリットである、平均年収ややりがいについてご説明します。
社労士になった際の年収や給与相場
賃金構造基本統計調査や複数転職サイト等の情報のよると、企業等で働く勤務社労士の平均年収は500万円強になりました。一方、一般社員の平均年収は450万円程度ですので、社労士の資格を持つことで収入も上がるということが言えます。
ただし、あくまでも企業内で働く社労士の場合です。後述しますが、社労士資格を取得した方は、8割以上が開業社労士としてご自身で独立します。
開業社労士となると、本人の努力や実力が大きく左右してきますので、年収1,000万円を超える人もいますし、副業をせざるを得ない方も約2割います。社労士として独立をお考えの方は、社労士資格の取得はあくまでも通過点で、その後も依頼を受け続けて売上を出し続ける社労士を目指さなくてはなりません。
社労士のやりがいとは
また、働く上でのやりがいは収入だけではありませんね。社労士では以下のようなやりがいを感じることが多いです。
経営者・労働者どちらからも頼られる
社労士が取り扱う労働関連法は、会社にとって規律と秩序を正す法律で、労働にとっては労働者を守るための法律となります。社労士の仕事によって、会社は正され労働者も気持ち良く働けます。
クライアントの事業としての発展も嬉しいのですが、その根底にご自身の取り組みがあったと思っていただければやりがいも感じられることでしょう。
経営者の知り合いが増える
社労士という仕事柄、様々な業界の経営者と接する機会が多くなります。ビジネスに関心が高い方は、そのような環境に置かれることは非常に魅力的で刺激的でしょう。
自分自身も経営スキルが身につく
社労士の多くが開業社労士として独立開業します。社労士として知識・実務経験に合わせてビジネススキルも必要とされます。最初のうちはなかなか依頼をもらえず売上も上がらない…ということがあるかと思いますが、試行錯誤しながら、人から良いと思われるサービス、感謝されるようなサービスを試行錯誤して見つけていくこともやりがいの1つですね。
社労士におすすめの人や受験者の傾向
どのような人が社労士に向いているのか?過去の合格者の傾向をもとに少し考察してみましょう。
社労士試験受験者の傾向
2019年の社労士試験に合格したの『年齢』『男女比』『受験当時の職業』をまとめてみると、以下の結果となりました。
30~40歳代が多く受験
社労士試験の合格者として多いのが圧倒的に30~40歳代の方で、全体の6割以上を占めます。また、50歳代以上の方も2割以上おり、社会経験を積んだ後に挑戦される方も多いようです。
実態は不明ですが、企業で人事労務の実務経験を積んで社労士を目指すという方も多そうですね。
女性が多い士業の1つ
社労士試験での合格者の男女比は上記の通りです。確かに男性が半数以上ではあるのですが、これは他の士業に比べても女性の割合が高いと言えます(他士業はだいたい女性比10~20%)。
受験資格に厳格な決まりがあるわけでもないので、女性が挑戦しやすい士業の1つだと言えます。
会社員をしながら社労士を目指す方が多い
社労士試験に受験をした方の職業をまとめると、上記のようになりました。半数以上が会社員をしながら受験しており、先ほどお伝えしたように、企業で実務経験をしながらであったり、転職やキャリアアップとしての受験をしている方が多いようです。
ただ、社労士試験に合格するための勉強時間は800時間~とお伝えしたように、会社員をしながら勉強となると相当な根気と忍耐力も要します。
社労士におすすめの人
上の傾向を参考に、どのような人が社労士に向いているのかをご紹介したいと思います・
真面目でコツコツ学べる人
繰り返しますが、社労士になるための勉強時間は800時間以上と言われています。もともと学ぶことが好きで根気強い方でないと、途中で挫折してしまうおそれがあります。
また、社労士になった後も年々変更になる労働・社会保険関連の法律の知識を得続けなくてはなりません。
女性も挑戦しやすい士業
士業を目指している女性の方には、社労士は挑戦しやすい士業だと言えます。2019年の社労士試験では35%の合格者が女性でしたし、今後も女性比率が上がることも考えられます。
また、女性経営者も増えてきていますので、その場合にも同じ女性の社労士が望まれるでしょうから、女性社労士の需要や強みも高まると言えます。
キャリアアップや転職の選択肢としても有効
後述しますが、社労士資格を取得しても企業内などで人事労務のプロフェッショナルとして働かれる方もいます。結果的に社内での昇格や転職に有利になれるなどのことが考えられます。
例えば、長年企業で人事労務を担当していた方は、ご自身の経験を資格という形にするためには社労士試験に挑戦してみても良いでしょう。
社労士が行える業務と働き方、将来性
最後に、実際に社労士になったらどのような業務を行い、どのような働き方をするのかをご説明します。
社労士が行う業務
- 1号業務
労働保険の書類の作成・提出代行、健康保険や雇用保険などへの加入・脱退手続き、給付手続きや助成金の申請など(社会保険労務士法第2条1項1号) - 2号業務
労働社会保険諸法令に従う帳簿書類の作成、労働者名簿や賃金台帳の作成請負、就業規則や各種労使協定の作成 など(社会保険労務士法第2条1項2号) - 3号業務
労務管理や社会保険などに関する相談、アドバイス、コンサルティングなど(社会保険労務士法第2条1項3号)
社労士業務は主に上記の3種類に分かれます。特に1号業務と2号業務は社労士の独占業務となっており、社労士資格を持つ人物以外は原則的に行えません。
試験科目にあった労働・社会保険に関する法律のプロですので、それらに関連する手続きやアドバイスなどが主な業務となります。さらに、知識を活かしてコンサル業をメインに行っている社労士も多くいます。
後述しますが、社労士の8割以上が開業社労士として独立しますので、ご自身の強みを見つけて業務に付加価値を付けることが依頼をもらい続けられる社労士になるポイントです。
社会保険労務士(社労士)とは、厚生労働省が関係する法律を専門とする国家資格者で、会社を経営していく上で必要な就業規則の整備や社会保険の手続きなどを業務としています。従業員数が増えてきている会社では、きちんと就業規則等を決めておかなけ[…]
働き方は主に3種類
参考:「社会保険労務士の業務展開についてのアンケート調査|大阪大学」
大阪大学が行ったアンケート調査によると、社労士の方がどのような働き方をしているかが分かります。主に3つに分けることができ、それぞれ以下のような特徴があります。
自分で独立開業する
社労士の8割以上がご自身で独立開業して仕事を行っています。上でもお伝えしたように、企業の人事労務を整えることが社労士の主な業務になりますので、世の中に会社があり続ける限り仕事も社労士としての仕事も引き受けることができるでしょう。
ただし、注意してほしいことが、開業した社労士でも約2割は副業をしているということです。開業社労士は、社労士と言えども自営業者・経営者になりますので、売上・収入はピンからキリまであり、実力や行動量などにも比例してきます。
社労士としての実務能力や知識だけではなく、自分を活かした集客やプラスアルファの提案などのビジネススキルも必要になります。コツコツと学ぶ、業務処理することが得意な方は、新たにビジネススキルにも取り組んでいただくか、以下の企業などでいったん働く方法を検討しても良いでしょう。
社労士法人や社労士事務所で働く
全体の5%程度と数は少ないですが、いったん社労士法人や社労士事務所で社員として働く社労士もいます。
仕事の大半は会社や事務所が依頼を受けた案件を担当する形になります。社労士としての実務経験を積みながら、安定して給料はもらえるので、いきなり開業することに抵抗がある方は、修行の一環としてまずは社労士法人や事務所で働くのも良いかもしれません。
企業などで働く
案外多い社労士の働き方が、社労士資格を持ちつつも企業などに専属で働くことです。人事労務の担当を任せられることになるでしょうが、従業員が社労士資格を持っていることで、会社は社労士に依頼することなく臨機応変に労働・社会保険等に対応できます。
また、しっかりした国家資格を有しているということで、昇格や社内で役職に就ける可能性も高くなります。
まとめ
社労士になるにはまずは毎年行われる社労士試験を受けて合格する必要があります。受験資格こそはありますが、学歴・年齢制限などの絶対的な条件はありませんので、学歴・実務経験・国家資格の有無のいずれかの条件を満たした方は受験も検討しましょう。
ただし、社労士試験の合格率は5~10%と非常に低く、独学では最低でも800時間の勉強が必要だと言われています。働きながら社労士を目指す方も多いでしょうが、コツコツと勉強に励む根気強さも必要になります。
社労士試験合格後は、全社労に登録したのち社労士として開業する人が多いです。ここからはご自身も経営者となりますので、単に社労士としての業務をこなすのではなく、ビジネスマンとして依頼者に自分の強みを提案したり、付加価値を提供することでより求められる社労士になっていけるでしょう。