個人(事業主・従業員)向け|社労士に相談できること・相談窓口7つ

社労士に相談できることや相談料の相場について、個人向けにご紹介します。

相談者が従業員なのか、個人事業主なのかによって相談したいことは変わってくるので、この記事では従業員向けの内容と個人事業主向けの内容をそれぞれご説明します。

個人も社労士に相談できる窓口や、職場でのトラブルを相談できる窓口(社労士以外)もご紹介しています。お困りの方はぜひご利用ください。

目次

個人(従業員)が社労士に相談する際の前提知識

結論からお伝えすると、個人(従業員)からの相談に対応している社労士事務所は多くありません。社労士の業務内容は、人を雇用する際に発生する手続きの代理や助言がメインのためです。

以下、労働者からの相談に対して社労士ができること・できないことをご説明します。

従業員が相談する場合は、社労士事務所よりも行政機関や社労士会の窓口を選ぶのが無難

社労士の業務内容は経営者向けのものが多く、労働者側からの相談に応じていない社労士事務所が多いです。

従業員が社労士に相談したい場合は、行政機関や社労士会が設置する公益性の高い窓口に相談した方が、回答を得やすいでしょう。労働者の方向けの相談窓口は記事の後半でご紹介しています。

社労士にできるサポートはあっせん

社労士はあっせんによってトラブルの解決を図れます。あっせんとは、当事者(経営者と労働者)と社労士が話し合いをして和解を目指すことです。そこまで対立的な雰囲気でなく、社労士が同席していれば解決できそうな問題の場合はあっせんを社労士に依頼するといいかもしれません。

あっせんで解決をするメリットは、裁判をするよりも時間とお金がかからない点です。

あっせんの相談をしたい場合は、全国社会保険労務士会連合会がおすすめです。

金銭を請求したい場合は弁護士にご相談を

不当解雇や賃金未払いで金銭を請求したい場合は、弁護士に相談するのが無難です。

理由は次のとおりです。

  • 社労士は裁判外紛争解決手続のあっせんしかできない(代理人になって企業と交渉ができない)
  • そもそも労働者側の案件を扱う社労士が多くない

個人(従業員)が社労士に相談できること

全国社会保険労務士会連合会に寄せられた相談例をもとに、個人が社労士に相談できることをご紹介します。

不当解雇に関する相談

不当解雇された、またはされそうな場合に、会社側の対応が不当解雇にあたるかどうかが判断できます。具体的な対応方法についても相談できるかもしれません。

賃金・残業代未払いに関する相談

賃金未払いがあってもいきなり請求するのは気がひけるかもしれません。社労士に相談すると、未払い賃金に当たるのか判断してもらえたり、対応方法を教えてもらえたりします。

労働環境・ブラック企業に関する相談

ハラスメントや過度な残業など、労働環境に関する疑問を相談できます。

労働保険・社会保険に関する相談

ご自身が加入している労働保険や社会保険に関して相談できます。

個人事業主が社労士に相談できること(法人と同じ)

個人事業主が社労士に相談できることは法人の場合と同じです。

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以下、個人事業主が社労士に相談できることをご紹介します。

就業規則の作成・見直し

就業規則の作成や見直しを相談できます。従業員を常時10人している事業主は就業規則の届出が義務になります。

従業員が10人以上いる場合は就業規則の作成や確認を社労士に依頼しておくと安心です。

従業員が10人未満の場合、すぐに就業規則を用意しなくても大丈夫です。就業規則がない場合、未払い賃金や不当解雇を従業員に主張されると紛争解決が難しくなる恐れがあります。労使間のトラブルを未然に防ぐための対策がしたくなった段階で就業規則の作成や見直しをするといいかもしれません。

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労働保険・社会保険の手続き代理

人を雇用すると、以下のようなときに労働保険・社会保険の手続きが発生します。

  • 労働保険・社会保険にはじめて加入するとき
  • 従業員を雇用したとき
  • 従業員が退職したとき
  • 保険料を計算しなおすとき(年1回)

上記手続きは全て社労士に任せられます。人が退職した際は上記以外にも離職票が必要です。離職票のように、従業員が入社・退社した際の手続きを併せて依頼できる場合もあります。

給与計算の代理

従業員が少ないうちは給与計算はさほど負担にはならないかもしれませんが、従業員が増えてくると給与計算業務に取られる時間がだんだん増えてきます。

社労士に給与計算を依頼すれば、給与計算に時間をかけずに済みますし、計算ミスの心配もありません。

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助成金の申請代理

個人事業主であっても、雇用保険に加入していて助成金の支給要件を満たしていれば助成金を受給できます。

助成金申請を社労士に依頼した際の費用相場は成功報酬(受給額の20%~)なので、金銭的リスクが少ないのがポイント。

自力で助成金申請をしようとすると、書類の用意や外出に手間が取られる上に、支給要件の解釈や書類の内容に誤りがあってもなかなか気づけません。

編集部のメンバーが自力で助成金申請に挑戦した感想を以下の記事でご紹介しているのでご興味がある方はご覧ください。

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その他人事労務に関する相談

その他、人事労務に関する相談ができます。

例えば…

  • 人材の採用や定着に関する相談
  • 賃金や昇給制度に関する相談
  • 残業代制度に関する相談
  • 労使間トラブル対応への相談

就業規則を作成するときは、そもそもどんな制度や決まりを選ぶべきか迷うかもしれません。どの制度を採用するのか迷った場合は社労士に相談するといいかもしれません。

労務相談・手続き代理等を1年間無料で

ビジネスの立ち上げ初期であるほど、できるだけお金の負担を少なくしたい方も多いかと思います。

そんな方は、社労士法人TSC(CACグループ)の1年無料キャンペーンを活用することで、1円も損をせずに面倒な手続きを丸投げできます。

【1年間無料サポート対象業務】

  1. 顧問契約
  2. 労務相談
  3. 勤怠管理システム
  4. 給与計算事務
  5. 労働保険事務
  6. 社会保険事務
  7. 助成金アドバイス
  8. WEB明細システム

バックオフィス業務を丸投げすることで、あいた時間とお金を本業に使えるようになります

CACグループは1965年創業で55000件以上の顧客契約数があります。60年以上企業をサポートしてきた実績と経験があるので、初めて社労士を選ぶ方も安心して仕事を依頼できます。

詳細が気になった方は、以下をご確認ください。

個人が社労士に相談した際の相談料相場

社労士の相談料は個人の場合も法人の場合も変わりません。

法人の場合は月額で相談料を支払う契約もありますが、労働者が相談する場合は1時間ごとに料金が発生するスポットの料金プランで相談するのが一般的かと思います。

30分~1時間無料なことが多い

行政機関に相談する場合も社労士事務所に相談する場合も30分~1時間前後は無料であることが多いです。

相談が1時間以内に収まらない場合、行政機関であれば面談相談を案内してくれたり、より専門的な相談先を紹介してくれたりします。

社労士事務所の場合は、有料相談を案内してもらえることがあります。

1時間あたりの相談料相場は5,000円~1万円

社労士事務所に有料相談をした場合の相談料相場は1時間あたり5,000円~1万円程度です。

月額相談料相場は1万円~5万円

定期的に社労士に相談する見込みがある場合は月額で契約した方が安価です。

個人が利用できる社労士相談窓口3つ

以下、個人が社労士に相談できる窓口をご紹介します。

職場のトラブル相談ダイヤル|労働者の方が社労士に相談するなら一番おすすめ

労働者として社労士に相談するのであれば一番おすすめの相談先です。

度々お伝えしているように、個人からの相談に対応している社労士事務所は多くないので、社労士に相談しようと思うと社労士会に連絡してみるのが無難です。

全国社会保険労務士会連合会に相談できることは例えば…

  • 解雇・退職の悩み
  • 残業代・賃金未払いの悩み
  • 労働環境の悩み
  • 経営に関する相談

電話相談をしたのち、必要に応じて対面相談をしたのち、あっせんによって労使間トラブルの解決をサポートしてくれます。

相談できる時間11:00~14:00(平日)
相談料金無料
連絡先0570-07-4864
HP全国社会保険労務士会連合会

各都道府県の社労士会|相談窓口を設置していることも

お住まいの都道府県の社労士会が相談窓口を置いているかもしれません。

例えば東京の場合は社労士110番という相談窓口があります。事業主も労働者も30分無料で相談できます。30分の相談で足りない場合は、別の相談先を紹介してもらえることもあります。

相談できる時間10:00~16:00(東京都の場合)
相談料金30分無料(東京都の場合)
連絡先
HP『県名+社労士会』で検索

社労士相談ドットコム|一括見積もりができる。個人事業主向け

社労士費用の一括見積もりができます。

フォームに必要事項を記入・送信後、複数の社労士から見積もりが届きます。

無料で社労士を比較できるので、社労士をお探しの方はぜひご利用ください。

相談できる時間各社労士と相談
相談料金無料
連絡先
HP社会保険労務士相談ドットコム

【労働者向け】職場トラブルを無料相談できる窓口4つ

続いて、職場のトラブルを相談できる窓口をご紹介します。

社労士には相談できないものの、職場の問題を無料で相談できます。

総合労働相談コーナー|労働問題全般を相談できる

厚生労働省が全国379箇所に設置している相談窓口です。

労働問題全般を相談できます。必要に応じて、助言・指導・あっせんの案内をしてもらえます。

相談できる時間
相談料金無料
連絡先以下HP参照
HP総合労働相談コーナーのご案内

労働基準監督署|労働基準法違反がある企業に対して指導を行う

勤務先が労働基準法違反をしている場合、通報をすると企業に対して指導が入ることがあります。

労基法違反の企業への指導が主な対応になるので、企業に対して未払い賃金の請求のような、個人的な請求をする場合は弁護士に相談することになります。

相談できる時間平日8:30~17:15
相談料金無料
連絡先以下HP参照
HP全国労働基準監督署の所在案内

日本年金機構|年金に関する質問ができる

年金に関する相談であれば年金事務所にすると間違いないでしょう。

相談できることは例えば…

  • 年金給付に関する請求・変更手続き
  • 基礎年金番号通知書などの再発行
  • 年金に関する相談
相談できる時間平日8:30~17:15
相談料金無料
連絡先以下HP参照
HP日本年金機構

法テラス|問題解決のための法制度や相談窓口を紹介してくれる

国民に法的支援をする目的で国が設置した相談窓口です。相談内容に応じて適切な相談先を紹介してくれます。「どこに相談すればいいかわからない」という人には最もおすすめの相談先です。

相談できる時間平日9時~21時

土曜9時~17時

相談料金無料
連絡先0570-078374
HP法テラス

まとめ

この記事のポイントは…

  • 個人事業主は法人と同じ相談ができる
  • 労働者からの相談に対応している社労士事務所は多くない
  • 労働者が社労士に相談したい場合は、社労士会や行政機関のような公益性が高い相談先を選ぶのが無難
  • どうしても社労士に相談しなければいけない場合は有料相談を依頼する。そうでない場合は、総合労働相談コーナーのような、労働トラブルを扱う相談先を選ぶのが無難
  • 社労士は話し合いを仲介して和解を目指すあっせんはできるが、金銭の請求や訴訟を視野に入れるのであれば弁護士に相談をする

 

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