社会保険労務士_顧問料

社会保険労務士(社労士)の報酬費用と顧問料の相場

社会保険労務士を顧問として雇い入れることで、社会保険関係の申請、労働保険の手続き、労働災害時の保険申請に加え、就業規則の運用、解雇関係の諸問題、労使トラブルといった労務相談を一括でアウトソーシングするか、人事コンサルタントとしてアドバイスをもらえる強い味方となってくれます。

その際に、社会保険労務士に支払う顧問料ですが、経営者にとっては人事労務の心強いパートナーになってくれますし、社員にとっても顧問社労士がいる事で、業務を安心してできる可能性があるなどのメリットがありますから、顧問料が安かろう悪かろうではいけません。

現在、社労士の費用は各事務所が自由に設定できるため、事務所によって金額に大きな開きがあります。

「なるべく安く済ませたい」と現段階で考えている方もいるかもしれませんが、金額だけで選んでしまうと、のちのち追加で依頼が必要になり、結局損をしてしまうかもしれません。

ただ、同程度の品質、相談の量であれば、少しでも安くしたいと思うのは当然かと思います。ですので、「どのレベルの業務量を期待し」「社労士にどこまで頼むか?」「払いの上限はどこまでか?」のバランスで決める必要があります。

本記事では、社会保険労務士の顧問料の相場と、できるだけ優秀な社労士を雇い入れる為の選び方について、ご紹介します。

 

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社会保険労務士(社労士)の報酬費用は事務所によって異なる理由

社労士によって、依頼をした際の費用はかなり異なります。その理由は、事務所が自由に料金体系を設定できるためです。

社労士費用の3つの内訳

金額は、主に次の3つの要因によって変動します。

  1. 従業員の人数
  2. サポートの範囲
  3. 対応にかかった手間

従業員の人数が増えれば対応に手間がかかるため、その分費用がかかります。そのため、従業員の人数ごとに顧問契約の料金を決めている社労士事務所がweb 上でいくつか見られました。

さらに、顧問契約とひとえにいっても、カバーしている業務範囲は事務所によって異なるようです。例えば、給与計算のみ対応をしているケース、社会保険の手続きのみを代理しているケースなどがあり、カバーしている業務が多いほど高額になります。

また、手間がかかればその分人件費などがかさむので、コストが高くなります。就業規則を細かく設定したり、時間をかけてヒアリングをしてもらった際などに、費用が高騰しそうです。

単発で依頼した場合の費用例

就業規則作成50,000~150,000円
就業規則修正20,000~30,000円
諸規定作成30,000~50,000円
各種保険関係の書類1つあたり5,000~10,000円
給与計算従業員数月額
基本料金10,000~30,000円
従業員1名あたり500円~1,000円
従業員数5~9人+5,000円~
従業員数10~19人+10,000円~30,000円
従業員数20~29人+20,000円~4,5000円
従業員数30~49人+40,000円~70,000円
従業員数50人~+50,000円~80,000円
助成金の申請着手金0円

報酬金20%~

就業規則関連の依頼をする際は、費用に大きな差が出てきそうです。社労士に費用を確認する際は、金額の根拠をきき、どのようなサポートを想定しているのか聞いてみるといいかもしれません。

各種保険の書類ですが、人の採用を中長期的に増やしていく場合は自社で対応すると業務負担が増えるので、顧問契約をしてアウトソーシングすることも検討してもいいかもしれません。

社会保険労務士(社労士)の顧問料はいくら?

社労士には「社会保険労務士会」が報酬を一律に決めていた時期がありました。旧報酬規定と言って、現在は廃止されている規定なのですが、今でもその規定を参考に報酬を決めている社労士事務所も多いようです。

下記が社会保険労務士の顧問報酬月額になります。

表:顧問報酬の月額費用(横にスクロールできます)

人 員 数4人以下5~9人10~19人20~29人30~49人50~69人70~99人100~149人150~199人
報酬月額21,000円31,500円42,000円52,500円63,000円84,000円105,000円136,500円168,000円

(注1) 人員数は、事業主、役員と全従業員の合計。
(注2) 200人以上については別途協議。
(注3) 建設業は、上記の金額に50%を加算。

ここでいう顧問報酬とは、社労士の業務のうち、次の表に掲げる8つの仕事、並びに労働社会保険諸法令に関する事項の相談・指導の業務を、月単位で継続受託する場合に受ける報酬とされています。

法 律備 考
①労働基準法就業規則・事業付属寄宿舎規則を除く
②労働者災害補償保険法
③雇用保険法高年齢雇用継続給付・育児休業給付及び三事業の給付申請に係るものを
除く
④労働保険の保険料の徴収等に関する法律労働保険概算・確定保険料申告を除く
⑤労働安全衛生法許認可申請、設計・作図・強度計算、現場確認等を要するものを除く
⑥健康保険法健保・厚年標準報酬月額算定基礎届及び月額変更届を除く
⑦厚生年金保険法健保・厚年標準報酬月額算定基礎届及び月額変更届を除く
⑧国民年金法

基本顧問料の多くは10,000円から20,000円

社労士が労災保険・雇用保険・社会保険などの手続き代行と、簡単な労働関連の法律相談などを行う場合は、相場として10,000円から20,000円程度の顧問料になるようです。

従業員の数に応じて変動しますが概ね下記のように変動していき、10名以下までは5,000円ずつ、10名以上になると10,000円刻みで上がっていくと思っておくと認識にそこまで大きな差は出ないかと思います。旧報酬規定と比べると、若干安く設定されているかと思います。

  • 4名以下:10,000円〜15,000円
  • 5名〜9名以下:15,000円〜20,000円
  • 10名〜19名以下:25,000円〜30,000円
  • 20名〜29名以下:35,000円〜40,000円
  • 30名以上:40,000円以上

これに加えて、対面相談や電話・メール相談がトータル3時間までといった条件を設けている社労士事務所もありますし、『相談顧問料』と『手続き代行の顧問料』の2段階費用を設定している事務所もあり、何をどこまでお願いしたいかで正確な顧問料は変わってくることに留意が必要です。

労務系のコンサルティング顧問料

上記の基本顧問料は社労士事務所に業務をアウトソーシングした場合の顧問料ですので、労務コンサルになると少々顧問料は上がってきます。

労務コンサルティグ

 

内容労務管理・労働時間短縮、就業規則、賃金規定の作成業務アドバイス など
顧問料50人未満:30,000円〜35,000円
50人〜99人:40,000円〜50,000円
100人〜299人:50,000円〜60,000円
300人以上:70,000円以上
法務コンサルティング内容登記や許認可に関するアドバイスや法律相談 など

顧問料:50,000円〜80,000円

顧問料50人未満:30,000円〜35,000円
50人〜99人:40,000円〜50,000円
100人〜299人:50,000円〜60,000円
300人以上:70,000円以上
給与計算コンサル内容給与計算などの手続きや相談、コンサル など
顧問料50人未満:40,000円〜50,000円
50人〜99人:50,000円〜70,000円
100人〜299人:70,000円〜80,000円
300人以上:100,000円以上

 

社会保険労務士(社労士)は月額顧問料の範囲内でどれだけの業務をしてくれるのか?

では、顧問社労士に支払う月額顧問料の範囲内でどの程度の仕事をしてもらえるのでしょうか?こちらに関して、社会保険労務士会が平成28年に実施したアンケートによれば、企業が顧問社労士に依頼する業務は「手続業務:72.7%」「相談業務:74.7%」という答えになっています。

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参考:全国社会保険労務士連合会|社労士のニーズに関する企業向け調査結果について

手続きや簡単な法律相談・アドバイスは顧問料の範囲内とみてよい

この調査結果からでは顧問料の範囲内がどこまでか?という問いに対する正確な回答にはなりませんでしたが、

  1. 入退社に伴う各保険の取得手続
  2. 労働保険の更新手続
  3. 社会保険算定基礎届
  4. 社会保険賞与支払届 など

基本的な手続きの代行と、月に数時間程度の簡単な法律相談であれば、企業の利用率を鑑みるに、ほとんどの社労士が弁護士が顧問料の範囲内で対応していると言えそうです。

もちろん、顧問料と同様にどの程度の業務までを顧問料に含むかは個別の社労士事務所でことなります。

どこまで対応してくれるかは社労士次第

顧問契約とはいえ、相場以下の顧問料を設定している場合、何か手続き以外のことを相談すれば別途費用が発生するケースもあるでしょう。そのため、お願いしようと思っておる社労士に、相談も含まれるのか、何時間まで対応してくれるのかもチェックしましょう。単純に顧問料の安さだけで顧問社労士を選ぶべきではありません。

顧問弁護士と顧問契約を結ぶにあたっては、月々の顧問料にどこまでの業務が含まれるかをきちんと確認しておくことが大切です。

そのうえで、たとえば契約書の作成や法的トラブル時の対応など、顧問料の範囲内となる業務の扱いについてもあらかじめ説明を受け、納得した後に顧問契約書を交わしましょう。

社会保険労務士(社労士)費用をできるだけ抑える4つのポイント

安い事務所に依頼するのが合理的なのでしょうか。金額以外に社労士を決める基準はあるのでしょうか。

ここでは、上記の内容を踏まえ、社労士選びで損をしないためのポイントを4つお伝えします。

具体的にどの業務をアウトソーシングしたいのか定義する

現在社内で抱えている業務のうち、具体的にどの業務を外部に発注するのか定義するといいかもしれません。

顧問契約を結んだ場合は幅広いサポートを受けられる場合もありますが、依頼する必要のない業務がサポート内容に入っていた場合、金銭的に損をしてしまうことがありえます。

給与計算を外注したいのであれば、給与計算のみで顧問契約を。労働保険・社会保険の手続きを代理してもらいたいのであれば、労働保険・社会保険の代理のみで顧問契約を結ぶのが、費用の節約になるかと思います。

サポートの範囲を確認すために、無料面談を活用する

顧問契約を結んだ際に、具体的にどんなサポートを受けられるのか聞いてみましょう。現段階で必要のないサポートが含まれていた場合は、費用を交渉するか、他の事務所を検討するかの2択になるかと思います。

依頼前に費用を見積もってもらう

就業規則の作成など、依頼者のニーズによって工数が変わるような案件の場合は、提示される見積もり費用が社労士によって異なってくるかと思います。

社労士の側からしても、こうした案件は目安の費用をHPに掲載するしかないので、遠慮せずに見積もりを出してもらいましょう。

2~3事務所に見積もりを出してもらう

手間はかかるものの、複数事務所に見積もりを出してもらった方が大まかな相場感もわかりますし、自社に合うような提案をしてくれる社労士にめぐり合いやすくなるかと思います。

そのため、時間が許すのであれば、2~3社とコンタクトをとってから依頼を決めるといいでしょう。

当サイトより、複数の社労士に一括で見積もり依頼ができます。社労士費用を比較したい方はぜひご利用ください。

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優秀な社会保険労務士(社労士)の選び方|比較すべき3つのポイント

顧問料と一括りにまとめてしまうと一体いくらになるのかわかりにくいですが、一つ一つ何をお願いするのかを明確にしていけば社労士の顧問料は決して高い費用ではないと思います。

入退職の手続き、雇用保険の申請、社会保険関係の手続きや申請は素人では難しいですし、就業規則の作成や給与計算も間違えたら大変なことになります。また、法律改正情報などは「知らなかった」では済まされません。

「会社には人事がいるから大丈夫」と思って方も多いですが、人を採用することと、採用したかたの手続きをスムーズに進めることはまた別の話ですし、社内の契約周りがしっかりしていないと早期退職の原因になります。

特に法律の改正はかなり頻繁に起きていることをご存知でしょうか?休日の規定や有給休暇の取得義務、実はあまり知られていない助成金の存在など、人事労務のプロである社労士と顧問契約することで「損をしない」というのが一番のメリットです。

だからこそ、ちゃんとした社労士を選ぶことで、余計なトラブルに対応するコストもなくなるのです。

相談内容にあった経験を積んでいるか

社労士の業務範囲は幅広いため、社労士ごとに得手不得手があります。

社労士の業務を大まかに分けると…

  1. 労働分野(労務管理・手続き代理・コンサルティング)
  2. 社会保険分野(医療・年金・介護)

依頼したい内容を明確に把握した上で、依頼内容とマッチする経験を積んでいる社労士を探しましょう。

まずはHPを確認して、どんな業務を取り扱っているのか、顧問契約で何をサポートしているのかをみるとその社労士の得意分野が見えてくるかもしれません。

めぼしい社労士事務所を見つけたら、電話や面談相談で具体的な質問をいくつかしてみて、満足のいく回答が返ってくるかどうか確認してみると、依頼後のギャップが少なくなるかと思います。

社労士事務所が強みにしている業界を調べる

社会保険労務士もこれまで扱ってきた業務、顧問として関わってきた企業の風土・業界によって専門性に磨きが違います。専門にしている分野とは別に、その社労士がどの業界・業種に精通しているのかを知ることも、選択の基準としては重要です。その社労士が得意とする業種は何なのか、社労士選びで有効であるとも言えます。

担当社労士との相性の良さも大事

考え方や馬が合うかといったポイントも、長く付き合うのであれば気にしたほうがいいかもしれません。企業側の考え方をよく理解していない社労士に就業規則作成の代理などをお願いすると、極端な話依頼者の意図とは異なる成果物が出来上がることもありえるかもしれません。

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社会保険労務士の選び方

まとめ

候補となる社労士数人と話してみて、馬が合いそうな相手を見極めるといいかと思います。じっくり会話をしてみて、スムーズに意思疎通できるかどうかを確認しましょう。

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