初めて人を雇うときのやることリスト|手続き・費用相場・助成金etc…

初めて人を雇うときに最低限やらなければいけない手続きは次のとおりです。

  • 労働条件の明示
  • 雇用契約書の用意
  • 社会保険への加入
  • 労働保険への加入
  • 給与計算の用意
  • 就業規則の作成
  • 障害者を一定割合雇用
  • 税金の手続き

手続きの進め方や必要書類については本文でご説明しますので、作業を進める際にお役立てください

手続きを進めるのが億劫であったり、間違っているのではと不安であったりする場合は、上記作業を社労士に丸投げできます

この記事では、厚生労働省のページや調査を参考にしつつ、人を雇う際の手続きや費用について以下5点をご説明します。

  1. 【要対応】初めて人を雇う際の手続き
  2. 1人雇うと費用はいくらかかる?内訳と相場
  3. 人を雇うともらえるかもしれない助成金
  4. 人を雇う際の手続きを社労士に依頼した場合の費用
  5. 初めて人を雇うリスクと対策
目次

【要対応】初めて人を雇う際の手続き

人を雇用したときにやらなければいけないことについては、厚生労働省のページ人を雇うときのルールに詳しく書いてあります

やらなければいけないことや具体的な解釈について、根拠となる条文とともに詳しく書いてあるので一度目をとおすといいかもしれません。

この記事では、具体的な手続きの進め方や必要書類についてご説明します。

以下、初めて人を雇う際にやらなければいけないことをご説明します。

  1. 労働条件の明示
  2. 雇用契約書の用意
  3. 社会保険への加入
  4. 労働保険への加入
  5. 給与計算の用意
  6. 就業規則の作成
  7. 障害者を一定割合雇用
  8. 税金の手続き

労働条件の明示

労働契約を結ぶ際は、労働条件を書面で明示する必要があります。

書面に記載するべき内容は…

一 労働契約の期間に関する事項

一の二 期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準に関する事項

一の三 就業の場所及び従事すべき業務に関する事項

二 始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて就業させる場合における就業時転換に関する事項

三 賃金(退職手当及び第五号に規定する賃金を除く。以下この号において同じ。)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項

四 退職に関する事項(解雇の事由を含む。)

四の二 退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項

五 臨時に支払われる賃金(退職手当を除く。)、賞与及び第八条各号に掲げる賃金並びに最低賃金額に関する事項

六 労働者に負担させるべき食費、作業用品その他に関する事項

七 安全及び衛生に関する事項

八 職業訓練に関する事項

九 災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項

十 表彰及び制裁に関する事項

十一 休職に関する事項

引用元:労働基準法施行規則第五条

上記の点を労働条件通知書または雇用契約書で労働者に伝えましょう。

労働条件通知書のテンプレートは以下のページからダウンロードできます。

社会保険への加入

社会保険(健康保険・厚生年金保険)への加入手続きが必要です。

社会保険に初めて加入する際は新規適用の手続きが、従業員を被保険者にするためには被保険者資格取得の手続きが必要です。

社会保険加入時の手続きの進め方については以下の記事で詳しく解説しています。

社会保険(健康保険・厚生年金)加入手続きをサクッと終わらせる方法

加入して終わりではありません。主に給与や社会保険料が変動するタイミングで、社会保険の各種手続きをしなければいけないことがあります。これらの手続きには締め切りがあるので、忘れずに対応する必要があります。

社会保険の手続きが必要になるケースや具体的な届出の方法については、以下の記事でご案内しています。

社会保険・労働保険手続き一覧|入手先・提出先・期限等の備忘録

労働保険への加入

労働保険(雇用保険・労災保険)への加入手続きをします。

提出しなければならない書類は次のとおりです。

一元適用事業の場合

(労災保険料と雇用保険料の申告と納付を一元的に行う事業のこと)

書類提出先期限
保険関係成立届所轄の労働基準監督署保険関係が成立した日の翌日から10日以内
概算保険料申告書以下のいずれか

・所轄の労働基準監督署

・所轄の都道府県労働局

・日本銀行

保険関係が成立した日の翌日から50日以内
雇用保険適用事業所設置届所轄の公共職業安定所設置の日の翌日から起算して10日以内
雇用保険被保険者資格取得届所轄の公共職業安定所資格取得日の翌月10日まで

二元適用事業の場合

(労災保険料と雇用保険料の申告と納付を別に行う事業のこと。農林漁業、建設業など)

書類(労災保険)提出先期限
保険関係成立届所轄の労働基準監督署保険関係が成立した日の翌日から10日以内
概算保険料申告書以下のいずれか

・所轄の労働基準監督署

・所轄の都道府県労働局

・日本銀行

保険関係が成立した日の翌日から50日以内

 

書類(雇用保険)提出先期限
保険関係成立届所轄の労働基準監督署保険関係が成立した日の翌日から10日以内
概算保険料申告書以下のいずれか

・所轄の労働基準監督署

・所轄の都道府県労働局

・日本銀行

保険関係が成立した日の翌日から50日以内
雇用保険適用事業所設置届所轄の公共職業安定所設置の日の翌日から起算して10日以内
雇用保険被保険者資格取得届所轄の公共職業安定所資格取得日の翌月10日まで

上記に加えて、被雇用者を被保険者にするための手続きも必要です。詳細は、以下の記事で解説しています。

雇用保険加入手続き一覧|1人以上雇用するなら対応必須

給与計算の用意

給与計算の主な流れは次のとおりです。

  • 勤怠管理ツールを導入する
  • 労働時間を集計する
  • 課税支給額を計算する
  • 各種手当を計算する
  • 控除額(労働・社会保険料)を計算する
  • 住民税・所得税を計算する
  • 控除額を差し引く

従業員が少なければ給与計算の負担はさほど大きくないかもしれません。

人が増えてくると給与計算の手間が増えてくるので、給与計算ツールを導入したり、社労士に外注したりするといいかもしれません。

以下のページで、給与計算システムの選び方をご案内しています。初めて人を雇う段階の方でも利用しやすいような割安感のあるサービスもあるのであわせてご覧ください。

【厳選】社会保険労務士相談ドットコム

給与計算を効率化する際は、クラウド型のシステムを選ぶか、インストール型のソフトを選ぶか決めることになります。給与計算のサ…

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給与計算を社労士に依頼した場合、従業員が10人の場合2.5万円~5万円程度の費用で給与計算をすべて任せられます(従業員数が少なければもっと安い)。会社の規模にもよりますが、給与計算担当者の日給と給与計算ツールプラスアルファの費用で、[…]

税金の手続き

はじめて給与を支払う場合は給与支払事務所等の開設届出書を税務署に提出する必要があります。開業届に給与の支払いをしている旨を記載していた場合は対応しなくて大丈夫です。

所得税の手続き

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書に必要事項を従業員に記入してもらい、源泉徴収簿を作成します。

税金の金額は給与所得の源泉徴収税額表(令和 5 年分)を使って調べます。

所得税は、給与を支払った月の翌月の10日までに金融機関に納付します。

詳細は以下のページをご参照ください。

住民税の手続き

前年の所得を元に住民税が課税されます。

従業員が自力で支払い手続きをする普通徴収と、雇用主が従業員の給与から住民税を天引きして納税する特別徴収があります。従業員の税金の納付は原則特別徴収で対応します。

特別徴収の手続きについては、以下のページをご参考ください。

就業規則の作成

常時10人以上人を雇用している場合は就業規則を作成しなければなりません。

就業規則に絶対に記入しなければいけない項目(絶対的必要記載事項)は以下のとおりです。

労働時間等に関する決まり
  • 始業/終業時間/休憩時間
  • 休日/休暇
  • 交替制の場合の就業時転換に関する事項
賃金に関する決まり
  • 賃金の決め方
  • 計算方法
  • 支払い方法
  • 賃金の締め切り/支払い期日
  • 昇給について
退職に関する決まり
  • 退職に手続き
  • 定年退職について
  • 解雇事由

必要に応じて記入する項目(相対的必要記載事項)は次のとおりです。

  • 退職手当に関して
  • 賞与/最低賃金について
  • 食費や用具などの費用負担について
  • 安全衛生について
  • 職業訓練について
  • 災害補償や業務外の傷病扶助について
  • 表彰や懲戒について
  • その他労働者全員に適用される事項

就業規則については以下の記事で詳しくご説明しています。

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就業規則とは、会社で働く上での労働条件(賃金/労働時間など)や服務規律(ルール/マナー)を定めた決まりのことで、常時10名以上の従業員を雇用している事業場では作成と労働基準監督署への提出が義務付けられています。作成の義務が生じるのは[…]

人を初めて雇う段階であれば、すぐに就業規則を作成しなくても大丈夫です。常時10人以上雇用していなければ届出の義務はありませんし、そもそも賃金や働き方のルールが定まっていないうちに就業規則を作成しても結局後で修正することになります。

就業規則がなくて特に困る(請求される金額が高額になる)のは次のような場合です。

  • 不当解雇を主張された
  • 賃金・残業代未払いを主張された

従業員が増えてきて、上記のような主張をされることも考えられる段階になったら、あらためて就業規則を用意するといいかもしれません。

障害者を一定割合雇用

従業員を43.5人以上雇用している事業主は、障害者を一定割合雇用しなければなりません。

法定雇用率は2.3%です。

初めて人を雇用する段階であればまだまだ先の話なので、頭の片隅に入れておく程度で大丈夫です。

ただでさえ忙しい経営者が、全て1人でこなすのは非効率!1年間無料で全て外注しましょう

現場の声
忙しいから人を雇おうとしているのに、人を雇うための準備がこんなにあるのでは本末転倒だ

上記のどれかが欠けていても、ただちに刑事罰の対象になるわけではありません。ただ、法令違反のリスクを抱えたままの管理体制でいると、未払い賃金請求のようなトラブルの温床を残したまま経営を続けることになります。

編集部
初めて人を雇うタイミングは、社労士に相談や依頼をするいいタイミングです。法令違反や従業員とのトラブルが起きない体制を構築できる他、人を雇うためにやらなければいけない手続きを社労士に丸投げできるので、経営者の時間と手間を大きく節約できます
現場の声
とはいえ、社労士に依頼したことはないし、費用や社労士選びなど、不明な点、疑問な点が多い

そんな方には、社労士法人TSC(CACグループ)の1年間無料キャンペーンがぴったりです。経営者からの要望が多かった業務を1年間無料でサポートしているので、お金で失敗することなく人を雇うための準備を進められます

1年間無料キャンペーン対象業務

  • 労働条件の確認
  • 就業規則の確認
  • 勤怠管理システムの導入
  • 給与計算
  • 労働・社会保険手続
  • 助成金アドバイス

※税金の相談をしたい場合はグループ内の税理士法人を紹介可能

CACグループは1965年創業で55000件以上の顧客契約数があります。

TSCに依頼することで、手続を自分で調べて進めるわずらわしさから解放されます。意図しない法令違反や、従業員とのトラブルを未然に防ぎつつ雇用をすすめられます

詳細が気になった方は、以下をご確認ください。

1人雇うと費用はいくらかかる?内訳と相場

厚生労働省が令和3年に全国の企業6,400社に対して調査をした結果、労働者1人を1月雇うためのコストは平均408,140円でした。

以下、令和3年就労条件総合調査の概況を参考にしつつ、人を1人雇用すると何にいくらかかるのかをご紹介します。業界や従業員の人数別に調査しているので、具体的なコストをイメージしやすいかと思います。

労働者1人1月あたり平均408,140円

引用元:令和3年就労条件総合調査の概況|厚生労働省

平均は408,140円になっているものの、業界によって金額がかなり異なるので、事業を展開している業界の平均を見た方が現実的な数値を得やすいかと思います。

従業員数が増えるほど一人当たりのコストが高くなっていることがわかります。業界によるとは思いますが、初めて人を雇う段階であれば、月40万円もかからなそうです。

ざっくりではありますが、少し多めに見積もって30~99人規模の平均352,005円前後で想定しておくのが無難かもしれません。

給与以外の労働費用の内訳と相場

では、給与以外の何に費用がかかっているのでしょうか。内訳は次のとおりです。

引用元:令和3年就労条件総合調査の概況|厚生労働省

初めて人を雇う段階の企業であれば、法定外福利費、教育訓練費、募集費あたりの負担をもう少し少なく抑えられそうです。

法定福利費の内訳と相場

引用元:令和3年就労条件総合調査の概況|厚生労働省

法定福利費は節約しにくいです。保険料は年収が高くなるほど高額になるので、企業規模が少なく労働者の賃金が少ないほど企業にとっての出費は少なくなります。

法定外福利費の内訳と相場

引用元:令和3年就労条件総合調査の概況|厚生労働省

こちらは企業が任意で用意する福利厚生です。事業立ち上げ初期であれば住居費や食費を負担することもないので、もう少し出費が少ないイメージです。

人を雇うともらえるかもしれない助成金

編集部
人を雇用する段階になると、助成金の受給を視野に入れられる段階になってきます。自社でやろうとしていることに近い内容の助成金を受給できれば、費用や人件費の負担を軽くできます。

助成金は、雇用の安定に取り組む企業に対して、特定の取り組みのための費用や人件費の一部をサポートする目的のお金です。

各助成金の支給要件を満たすと助成金を受け取れるかもしれません。助成金を受け取るためには特定の取り組みが必要になるので、社内で元々助成金の支給要件と似たような取り組みをしようと考えていた場合は、助成金の申請に挑戦してみるといいかもしれません。

以下、厚生労働省のパンフレット『令和4年度雇用・労働分野の助成金のご案内(簡略版)』より、人を雇用する事業主の方が受給できる見込みのある助成金をご紹介します。

トライアル雇用助成金

一定期間試験的に人を雇用すると受け取れるかもしれない助成金です。初めて人を雇う方にとっては最も適している助成金です。

雇用の対象になる人は次のとおりです。

雇用対象の労働者コース名
安定した就職を目指すものの定職に付けないでいる人一般トライアルコース
障害者障害者トライアルコース
短時間労働の精神障害者・発達障害者障害者短時間トライアルコース
新型コロナウイルス感染症の影響を受けて いる離職者新型コロナウイルス感染症対応トライアルコース
短時間労働を希望する新型コロナウイル ス感染症の影響を受けている離職者新型コロナウイルス感染症対応短時間トライアルコース
若年・女性建設労働者トライアルコース
編集部
初めて人を雇う段階であれば、一般コースと新型コロナに関する2つのコースが狙い目かもしれません。

中途採用等支援助成金

事業立ち上げ初期であれば、新卒ではなく中途採用や実務経験者を雇用する場合がほとんどだと思います。正社員の中途採用を拡大しようと考えている方に向いている助成金です。

雇用対象の労働者コース名
中途採用を拡大する企業向け

無期雇用労働者を雇用

中途採用拡大コース
東京からの移住者を雇用

※地方創生推進交付金を活用して地方公共団体が実施する移住支援事業を利用した移住者限定

UIJターンコース

特定求職者雇用開発助成金

就職が困難な人を継続的に雇用するともらえるかもしれない助成金です。

雇用対象の労働者コース名
母子家庭の母等特定就職困難者コース
60~64歳の高齢者特定就職困難者コース
65歳以上の高齢者生涯現役コース
被災離職者等被災者雇用開発コース
・身体障害者

・知的障害者

・精神障害者

特定就職困難者コース
・発達障害者

・難病患者

発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース
正規雇用に就けなかった人就職氷河期世代安定雇用実現コース
自治体からハローワークに就労支援の要 請があった生活保護受給者等生活保護受給者等雇用開発コース

キャリアアップ助成金

有期雇用の労働者のスキルアップや待遇改善を予定している場合はキャリアアップ助成金の受給を目指すといいかもしれません。

人を10人以上常時雇用する事業者は就業規則を必ず作成しなければならず、かつ、賃金や昇進・昇給のルールについても明示しなければなりません。

この段階であれば自ずとキャリアアップ助成金の支給要件と被るような取り組みが増えてくるので、どんなコースがあるのか知っておくと得をするかもしれません。

有期雇用の労働者を…コース名
正規雇用労働者へ転換

または直接雇用

正社員化コース
障害者を正規雇用労働者に転換障害者正社員化コース
賃金規定を改正し、賃金の引き上げを実施賃金規定等改定コース
正規雇用労働者と共通の賃金規定を導入賃金規定等共通化コース
賞与・退職金制度を導入賞与・退職金制度導入コース
新たに社会保険に加入させ、同時に社会保険の適用と働き方の見直しに反映させるための取組を実施選択的適用拡大導入時処遇改善コース
短時間労働者の所定労働時間を延長し、 社会保険を適用短時間労働者労働時間延長コース

人材確保等支援助成金

既に雇用している人に長く働いてもらうために、制度や設備を導入すると受給できるかもしれない助成金です。

支給対象になる取り組みコース名
雇用管理制度(諸手当等制度、研修制度、健康づくり制度、メンター制度、 短時間正社員制度)を導入して離職率低下を図る雇用管理制度助成コース
介護福祉機器を導入して離職率低下を図る介護福祉機器助成コース
人材確保や職場定着を支援事業を実施する中小企業団体助成コース
生産性向上、賃金アップ、離職率低下を図るための人事評価制度と賃金制度を設ける人事評価改善等助成コース
テレワークを導入し、離職率低下を図るテレワークコース

人を雇う際の手続きを社労士に依頼した場合の費用相場

社労士に依頼できる手続きの内訳と、費用相場をご紹介します。

就業規則の作成|15万円~40万円

就業規則の作成は15万円~40万円程度で依頼できます。

就業規則の条文を作り込むほど費用が高額になります。

従業員の人数が多いほど、就業規則に記載した方がいい内容が増えます。初めて人を雇う段階であれば、40万円もかからないでしょう。

就業規則の作成が義務付けられるのは、従業員を常時10人以上雇用するようになってからです。労使間でのトラブルが起こりそうにない段階であれば、すぐに就業規則を用意しなくてもいいかもしれません。

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就業規則の作成を社労士に依頼すると、自社特有の運用を適切に条文に落とし込めるので、従業員とのトラブルを未然に防ぎやすくなります。とはいえ、就業規則の作成を0から依頼すると15万円~40万円程度かかるので、就業規則の作成を最初から任せ[…]

社会保険・労働保険に関する手続き

社会保険・労働保険に関する手続きは主に以下の5点です。

  1. 新規適用:初めて社会保険・労働保険に加入する際に必要な手続き
  2. 資格取得:従業員を雇用するたびに必要な手続き
  3. 資格喪失:従業員が退職するたびに必要な手続き
  4. 社会保険の算定基礎届:年に一度保険料を計算しなおして申告する手続き
  5. 労働保険の年度更新:年に一度保険料を計算しなおして申告する手続き

社労士に依頼した際の費用相場は…

手続き費用相場
社会保険新規適用3万円~5万円
労働保険新規適用
社会保険の資格取得1万円~2万円×人数
労働保険の資格取得
社会保険の資格喪失5,000円~1万円/1件
労働保険の資格喪失
社会保険の算定基礎届3万円~10万円
労働保険の年度更新

従業員が入社・退社するたびに資格取得と資格喪失の手続きが発生します。離職票の作成のように、従業員が入社・退社する際の保険以外の手続きをまとめて社労士に依頼すると業務負担を減らせます。

給与計算|月額1万円〜3万円+従業員1人あたり500円~1,000円

従業員数月額
基本料金10,000~30,000

従業員1名あたり500~1,000

従業員数5~9人+5,000円~
従業員数10~19人+10,000円~30,000円
従業員数20~29人+20,000円~4,5000円
従業員数30~49人+40,000円~70,000円
従業員数50人~+50,000円~80,000円

基本料金10,000~30,000円+従業員1人あたり500円~1,000円程度が相場です。

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給与計算を社労士に依頼した場合、従業員が10人の場合2.5万円~5万円程度の費用で給与計算をすべて任せられます(従業員数が少なければもっと安い)。会社の規模にもよりますが、給与計算担当者の日給と給与計算ツールプラスアルファの費用で、[…]

助成金の申請代理|着手金0円、報酬金は受給額の10%~20%

受給できた金額の10%~20%程度が相場です。着手金がある場合は、成功報酬のパーセンテージが低くなります。

助成金を自力で申請した場合のリスクは次のとおりです。

  • 支給要件を満たすための取り組みや就業規則の変更に時間がかかる
  • 書類の用意に時間がかかる
  • 支給要件を満たせているのか、文面を正しく解釈できているかわからないことがある
  • スケジュールに遅れると助成金をもらえない

上記のとおり、助成金の支給を受けるまでには何かと手間がかかります。編集部のメンバーが自力で助成金を申請した際の感想を以下記事で少しだけご紹介しているので参考までにご紹介します。

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助成金をもらいたいけれども、自分で申請するのと社会保険労務士に依頼するのとでは、どちらの方が良いのかな?と悩む人もいるでしょう。私は人事・労務担当者ですが、過去に自分で助成金申請をしたことがあります。結果的に受給には成功した[…]

編集部
社労士であれば、複数の助成金に同時に申請したり、支給要件を満たせそうかある程度判断したりできます。助成金を受け取るまでの効率が明らかに良くなります。完全成功報酬で依頼ができれば、経営者にとっての金銭的リスクは少ないので、他に依頼したい業務がある方は助成金についても併せて助言を求めると得をするかもしれません。

初めて人を雇うリスクと対策

おまけのような内容になりますが、初めて人を雇うリスクと対策をご説明します。

筆者は4年近く個人事業主をやっており、個人事業主や法人を立ち上げた知り合いがそこそこいますが、人を採用し始める段階の動きは割と皆似ているように思うので、あるあるだよねと思う内容を対策としてご紹介します。

人を雇う際のリスクは主に以下3点です。

  1. 仕事ができる人を雇えるとは限らない
  2. 毎月固定で人件費を出費することに
  3. 解雇をするのは難しい

当たり前のことを言っているようで多少恐縮ではありますが、毎月固定で人件費が発生し続けて、なおかつ日本の法律では解雇がしにくいのが人を雇う際のリスクではないでしょうか。

よくある対策は以下4点です。

  1. 知り合いに仕事を頼む
  2. リファラル採用を中心にする
  3. インターンやアルバイト(有期雇用)を採用する
  4. 資金調達を頑張る

以下、具体的にご説明します。

リスク①仕事ができる人を雇えるとは限らない

完全に個人の見解ですが、採用初期は採用サイトを使ってもいいですが、頼りすぎないほうが無難かもしれません。

面識がない人を採用するため、仕事ができるかどうか、バックれないかどうかを採用時点で判断できないためです。

リスク②毎月固定で人件費を出費することに

毎月人件費が発生し続けるので、人件費を含んだ1月の経費を売り上げが上回っているか、または内部留保が十分にあるかといったポイントが重要です。

リスク③解雇をするのは難しい

一度雇用してしまうと解雇が難しいので、いい人を雇用できなかった場合は対応が難しくなります。経営が厳しくなれば整理解雇をしたり、従業員が問題行動をすれば懲戒解雇をしたりすることもルール上は可能ではあるものの、従業員と話し合いをしなければいけませんし、不当解雇を主張されれば対応に労力を奪われます。

長く円満に働いてもらうのが理想ではあるものの、ミスマッチがあったときは解雇以外の方法でやめてもらえるよう準備しておくのが安全です。

対策①知り合いに仕事を頼む

筆者の周囲での話にはなりますが、立ち上げ初期の段階では知り合いに仕事を頼む人が多いように思います。

どの程度仕事ができるか、バックれないであろうことがわかるので安心して仕事を頼めます。業務委託で依頼するケースが多いですが、余裕があれば雇用するのもいいと思います。

対策②リファラル採用を中心にする

知人に知り合いを紹介してもらって採用するパターンも多いと思います。

知り合いの紹介ということである程度採用者候補を信頼しやすいですし、転職サイトを使わないのでマージンが発生しません。採用コストを下げられますし、うまくいけば離職のリスクも下げられるかもしれません。

対策③インターンやアルバイト(有期雇用)を採用する

転職サイトなどを使って面識がない人を採用する場合は有期雇用で採用すると安心です。

有期雇用の場合は雇用契約が継続する期間を定められます。更新するかどうかを経営者側が判断できます。

雇用契約を更新しなかったとしても法律上は問題ないので、少なくとも不当解雇が認められるような心配はありません。雇用契約書や就業規則に、有期雇用の期間や更新について明確に記載をしておくと、よりトラブルを防ぎやすくなります。

対策④資金調達を頑張る

事業を継続してさえいれば利益を生み出せるのであれば、融資や投資を受けるといいでしょう。

融資や投資を受ける際には事業計画や担保を求められます。チームや知り合いにファイナンスに詳しい人がいた方が挑戦しやすいかもしれません。

まとめ

人を雇う際に発生する手続きや費用についてご紹介しました。

人が増えてくると助成金の支給要件に近い取り組みが増えてくると思うので、支給要件を満たせそうな助成金があれば申請をしてみるといいかもしれません。

この記事でご紹介した手続きは今後も人を雇うたびに発生します。手続きに時間を取られたくない場合は1年間無料キャンペーンを試してみてはいかがでしょうか。

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