社労士に相談できる事

社会保険労務士に相談できる4つの業務と相談すべきケース・費用についても解説

社労士に相談できることは、主に次の4点です。

  1. 労働保険や社会保険に関する書類の作成
  2. 就業規則・各種規定の作成と変更
  3. 裁判外紛争解決手続き(ADR)の代理
  4. 人事・労務管理のコンサルティング

この記事では、①上記社労士に相談できることの詳細と、②社労士に相談したほうがいいケースについて解説します。

以下に当てはまる方は社労士に相談する必要があるかもしれないので、ぜひ当記事を参考にしていただければと思います。

  • 「就業規則を作成したい」
  • 「労働保険・社会保険関係の書類作成をアウトソーシングしたい」
  • 「従業員とトラブルになっており、対応をお願いしたい」
  • 「人事・労務にまつわるトラブルを未然に防ぎたい」

 

社会保険労務士に相談できる4つの業務内容

社労士に相談できることは、主に次の4点です。

労働保険や社会保険に関する書類の作成

従業員が入社してから退職するまでの間に発生する労働保険・社会保険に関する書類作成の代理を依頼できます。これらの書類の作成の代理は、社労士のみが行えます(一号業務)。

労働保険や社会保険に関する書類の具体例は…

  • 健康保険・厚生年金保険の算定基礎届け/月額変更届け
  • 労働保険の年度更新手続き
  • 健康保険の給付申請手続き
  • 労災保険の休養給付・第三者行為の給付手続き
  • 死傷病報告等の報告書の作成と手続き
  • 解雇予定除外認定申請手続き
  • 年金裁定請求手続き
  • 審査請求・異議申立・再審査請求などの申請手続き
  • 各種助成金申請手続き
  • 労働者派遣事業などの許可申請手続き
  • 求人申込みの事務代理

参照:東京都社会保険労務士会

就業規則・各種規定の作成と変更

従業員が常に10名以上の起業では、就業規則を作成し、労働基準監督署に届け出る必要があります。また、関連法令が改正された際は、既存の就業規定が改正法令通りになっているか確認する必要がでてきます。

社労士は就業規則に付随して、以下の規定の作成を代理できます。

  • 給与賃金規程
  • 退職金規程
  • 安全衛生規程
  • 災害補償規程
  • 福利厚生規程
  • 育児・介護休業規程
  • 出向規程
  • 旅費規程
  • 社宅管理規程

参照:東京都社会保険労務士会

【労使協定】

三六協定
休憩時間の一斉付与除外協定
1年単位の変形労働時間制の労使協定
フレックスタイム制の労使協定
貯蓄金管理に関する労使協定
賃金控除に関する労使協定
事業場外みなし労働時間制に関する労使協定
専門業務型裁量労働制に関する労使協定
企画業務型裁量労働制の労使委員会の決議等
年次有給休暇の計画的付与に関する労使協定
育児休業の適用除外に関する労使協定
介護休業の適用除外に関する労使協定

参照:東京都社会保険労務士会

就業規則を作成を社労士に依頼する7つのメリット|報酬や選び方まで徹底解説

裁判外紛争解決手続き(ADR)の代理

裁判外紛争解決手続き(ADR)とは、調停や仲裁といった方法で、当事者間のトラブルの解決をめざすことです。裁判と比べると、時間やお金がかからず、結果が一般に公開されることもありません。

ADRの代理は、紛争解決手続代理業務試験に合格した特定社労士のみが行えます。

人事・労務管理のコンサルティング

人事や労務関係のコンサルティングを依頼できます。こちらは社労士の独占業務ではないので、相談したい内容が相手の得意分野と合致しているかどうかを確認するといいでしょう。

具体的に相談できる内容の例は…

  • 優秀な人材の採用に苦戦している
  • 優秀な社員が定着しない
  • トラブルを未然に防げるよう就業規則を見直したい
  • 賃金・昇給・評価制度の相談に乗ってもらいたい
  • 長時間労働を是正したい

 

社会保険労務士に相談したほうがいいケース5つ

人事労務スタッフを雇うよりも、社労士に外注したほうがお金や時間を節約できるようなケースでは、社労士への相談を検討するといいでしょう。

以下で詳しく解説していきます。

  1. 労働保険・社会保険に関する業務をアウトソーシングしたいとき
  2. 人事・労務スタッフを採用する予定がないとき
  3. 会社が急成長しているとき
  4. 労働問題が発生したいときや予防したいとき
  5. 助成金を受給したいとき

労働保険・社会保険に関する業務をアウトソーシングしたいとき

『労働保険や社会保険に関する書類の作成』でお伝えした書類を社内で作成するのが難しい場合に、相談を検討するといいでしょう。

費用の支払い方法に関しては、顧問契約を結んで毎月一定額を支払う方法と、単発で依頼する方法があります。対応するべき書類がどのくらいあるのか把握した上で、どちらにするか決めるといいでしょう。

人事・労務スタッフを採用する予定がないとき

人が増えてきて、人事・労務関連の業務に手間がかかるようになってきたが、専門スタッフを採用するとコストがかかりすぎる場合などは、社労士への委託を検討するといいでしょう。

会社が急成長しているとき

ベンチャー企業など、人が一気に増えると、入社手続きや給与計算が間に合わなくなるケースがあります。このような場合、社内で対応しようとすると、スタッフの採用と育成に時間と資金がかかりますので、社労士に外注してしまったほうが、時間もお金も節約できるかもしれません。

労働問題が発生したいときや予防したいとき

従業員の人数が10人を超えてくると、従業員間のトラブルが徐々に増えてくる場合があります。ハラスメントや離職率の増加など、目に見える形でトラブルが発生し、かつ社内だけでの改善が難しそうな場合は、経験のある社労士に意見を求めてみるのもいいかもしれません。

組織運営の経験がある社労士や、同種の問題の解決実績がある社労士を選ぶといいでしょう。

相談時に具体的に困っている点を伝えてみて、解決が期待できるような回答が得られるかどうか確認してみるといいかと思います。

助成金を受給したいとき

助成金の申請をする際は、就業規則や賃金台帳など、各種書類を準備する必要があります。助成金を受給するために必要な手続きを調べてみて、自社のリソースで対応すると時間がかかるような場合は、社労士へのアウトソースを検討するといいでしょう。

社労士費用は事務所によってかなり異なる…その理由は?

社労士によって、依頼をした際の費用はかなり異なります。その理由は、社労士の費用は各事務所が自由に設定できるため、事務所によって金額に大きな開きが生まれてしますのが原因です。

「なるべく安く済ませたい」と現段階で考えている方もいるかもしれませんが、金額だけで選んでしまうと、のちのち追加で依頼が必要になり、結局損をしてしまうかもしれません。

ここでは、社労士費用の大まかな相場と、依頼を決める前に抑えておきたいポイントについて解説します。

社労士の費用を決める3つの要素

社労士費用の金額は、主に次の3つの要因によって変動します。

  1. 従業員の人数
  2. サポートの範囲
  3. 対応にかかった手間

従業員の人数が増えれば対応に手間がかかるため、その分費用がかかります。そのため、従業員の人数ごとに顧問契約の料金を決めている社労士事務所がweb 上でいくつか見られました。

同じ費用でもカバーしている業務範囲がバラバラ

さらに、顧問契約とひとえにいっても、カバーしている業務範囲は事務所によって異なるようです。例えば、給与計算のみ対応をしているケース、社会保険の手続きのみを代理しているケースなどがあり、カバーしている業務が多いほど高額になります。

また、手間がかかればその分人件費などがかさむので、コストが高くなります。就業規則を細かく設定したり、時間をかけてヒアリングをしてもらった際などに、費用が高騰しそうです。

 

社労士と顧問契約をした場合と単発で依頼した場合の費用の例

顧問契約をした場合、単発で依頼を受けた場合の2パターンで費用を設定している社労士事務所が多く見られます。

一定期間繰り返し同種の業務をアウトソーシングする目的であれば、顧問契約を結んでしまった方がローコストにおさまる場合もあります。

顧問契約をした場合の費用例

上では、社労士の費用はサポートの範囲や対応にかかった手間などによって変動することを説明しました。

社労士事務所では、例えば次のように労働者の人数ごとに顧問契約の費用を決めているようです。

人数月額
5~9人5,000円~
10~19人10,000円~30,000円
20~29人20,000円~4,5000円
30~49人40,000円~70,000円
50人~50,000円~80,000円

社会保険労務士の顧問料はいくら?相場と優秀な顧問社労士を選ぶには

単発で依頼した場合の費用例

就業規則作成50,000~150,000円
就業規則修正20,000~30,000円
諸規定作成30,000~50,000円
各種保険関係の書類1つあたり5,000~10,000円
助成金の申請着手金0円

報酬金20%~

就業規則関連の依頼をする際は、費用に大きな差が出てきそうです。社労士に費用を確認する際は、金額の根拠をきき、どのようなサポートを想定しているのか聞いてみるといいかもしれません。

各種保険の書類ですが、人の採用を中長期的に増やしていく場合は自社で対応すると業務負担が増えるので、顧問契約をしてアウトソーシングすることも検討してもいいかもしれません。

社会保険労務士の費用相場|顧問契約料・スポット契約・アドバイザリー費用まで詳しく解説

社会保険労務士の費用で損をしないための4つのポイント

安い事務所に依頼するのが合理的なのでしょうか。金額以外に社労士を決める基準はあるのでしょうか。

ここでは、上記の内容を踏まえ、社労士選びで損をしないためのポイントを4つお伝えします。

具体的にどの業務をアウトソーシングしたいのか定義する

現在社内で抱えている業務のうち、具体的にどの業務を外部に発注するのか定義するといいかもしれません。

顧問契約を結んだ場合は幅広いサポートを受けられる場合もありますが、依頼する必要のない業務がサポート内容に入っていた場合、金銭的に損をしてしまうことがありえます。

給与計算を外注したいのであれば、給与計算のみで顧問契約を。労働保険・社会保険の手続きを代理してもらいたいのであれば、労働保険・社会保険の代理のみで顧問契約を結ぶのが、費用の節約になるかと思います。

サポートの範囲を確認すために、無料面談を活用する

顧問契約を結んだ際に、具体的にどんなサポートを受けられるのか聞いてみましょう。現段階で必要のないサポートが含まれていた場合は、費用を交渉するか、他の事務所を検討するかの2択になるかと思います。

依頼前に費用を見積もってもらう

就業規則の作成など、依頼者のニーズによって工数が変わるような案件の場合は、提示される見積もり費用が社労士によって異なってくるかと思います。

社労士の側からしても、こうした案件は目安の費用をHPに掲載するしかないので、遠慮せずに見積もりを出してもらいましょう。

2~3事務所に見積もりを出してもらう

手間はかかるものの、複数事務所に見積もりを出してもらった方が大まかな相場感もわかりますし、自社に合うような提案をしてくれる社労士にめぐり合いやすくなるかと思います。

そのため、時間が許すのであれば、2~3社とコンタクトをとってから依頼を決めるといいでしょう。

まとめ

社労士の費用は事務所によって大きくことなりますが、これは事務所が独自に金額を決められるためであり、案件対応に必要な工数やサポートの内容も変わってくるためです。

現在抱えている業務のうち、どの業務をアウトソーシングしたいと考えていて、そのために必要な範囲のサポートを提供している社労士を探していくと、費用で損をせずに済むかもしれません。

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